特定部位に注入することで,特定部位を選択的に大きく見せることが可能であるシンソールは,短期的に見ると効果がありますが,中長期的に見ると筋肉及び健康に大きな影響を与えます.
そんなシンソールについて,現役時代,実際に使っていたChris Cormierがその危険性について指摘している動画を見つけたため,皆さんとシェアしたいと思います.
Chris Cormierとは
Chris Cormierは,1967年生まれでアメリカ出身のプロボディビルダーです.身長は約178 cm,体重は約111 – 116 kgだったと言われています.
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Chris Cormierは1993 NPC USA Championshipで優勝し,IFBBプロカードを取得しました.
その後,2000年を除いて1994年から2005年までミスターオリンピアに出場し,ミスターオリンピア 1999及び2002では3位に入ったトップ選手です (しかも,当時はボディビルディングの黄金時代と言われた1990年台ですから,彼が如何に素晴らしい選手であったかがわかります.).ちなみに,最終的には72のIFBBプロコンテストに出場し,12回の優勝,アーノルドクラシックでは6回の準優勝を飾った様です.
彼は選手として超一流ですが,引退後,コーチとしての活躍もめざましく,彼に師事している選手としてはBreon Ansley等がいます.
Chris Cormierがシンソールの危険性について指摘した動画
Chris Cormierがシンソールの危険性について指摘した動画は以下です.
動画の作成元は,Muscle and Fitnessです.
今回の動画の長さは33:20です.
Chris Cormierが指摘するシンソールの危険性
今回の動画にて,Chris Cormierが現役時代にふくらはぎにシンソールを注入していたことを認めています.
Yeah so I actually used it in my calves before that’s why I know the damage is real. And not only that — when you get older, you need the circulation. Guess what you’re doing to the muscle, you’re damaging all of the nerves — you’re not going to have the circulation — your nervous system is going to be all jacked up. When you get older, you need that circulation.
そうだね,実際にふくらはぎに使ったことがあるから,そのダメージは本物だと言えます.それだけでなく,歳をとるについてシンソール使用のサイクルを必要としてくるんですよ.聞いてください,トレーニングをしたら,全ての筋肉の神経にダメージを与えているのです.つまり,サイクルを怠ると,神経系が全てダメになるんです.歳をとるにつれて,サイクルが必要になるのです.
つまり,一度,シンソールを使ってしまうとそのサイクルから抜けるのが難しくなることを指摘してます.実際に,シンソールを使った場合の害については以下のように述べています.
Yes. You’re destroying the muscle. One of the muscles that a lot of people like to do is the calves. The calves is one of the worst places you can do it because it’s slowly going to damage that muscle. That muscle is going to disintegrate, and be actually nothing in another year or two, or you know something like that. So, if your calves are very high — you just have high calves. Just leave it. Just train it.
そう,筋肉を破壊してしまうんです.多くの人が鍛えるの好きな筋肉の1つに,ふくらはぎがあります.ふくらはぎは、筋肉を徐々に破壊していくので,最もやってはいけない場所のひとつです.その筋肉は崩壊し,1年後,2年後には無に帰すという感じです.だからふくらはぎの位置がとても高い人は,単にふくらはぎが高いだけなんです.そのままにしておいてください.鍛えればいいんです.
ふくらはぎの筋肉は,生まれつきもったものが大きな影響を与えます.今回,Chris Cormierが指摘する「ふくらはぎが高い」というのは,腓腹筋が踵から高い位置についているため脚が細く見えてしまうことを示唆しているのだと考えられます.このため,ヒラメ筋を発達させることで,脚を太く逞しく見せるために,シンソールを使うことが手段の1つとして講じられているようですが,実際には,シンソールを使わずに鍛えることが推奨されています.
終わりに…
実際に,シンソールをかなり使って筋肉が全くなくなってしまったのではないかと疑われる選手もいるため,今回,Chris Cormierが指摘する「筋肉がなくなる」というのは事実であると考えられます.
勝つために使っていたシンソールが,実際には選手生命を短くしていたというケースもありそうであるため,やはり,シンソールの使用はしない方が無難だと思います.