【サプリメント解説】伝統的な脂肪燃焼栄養素!カルニチンの効果

カルニチン

市販されている多くの脂肪燃焼系のサプリメントの中で,最も多く用いられている成分こそカルニチンであり,脂肪燃焼系のサプリメントの歴史としても古く,実績もあります.

今回は,カルニチンの効果について皆さんとシェアしたいと思います!

カルニチン (L-カルニチン)とは

カルニチンは,単体の物質を指すものではなく,一般的にはL-カルチニン,アセチル‐L-カルチニン,プロピオニル‐L-カルチニン等の総称とされています.その中で,ダイエット分野で活躍するのは,L-カルニチンになります (一般的に,カルニチンというとL-カルニチンを指すことが多いです.).

L-カルニチンの効果としては,主に「脂肪燃焼を促す効果」があるとされています.Lカルニチン自体は脂肪酸の運搬作用があり,脂肪酸をミトコンドリア内に運搬し燃焼させることで脂肪燃焼効果を促します.また,「運動機能を向上させる」という効果があることを主張する人もいます.ただ,エビデンスが十分でないことから,L-カルニチンが「運動機能を向上させる」かどうかについては,議論の余地があります.

L-カルニチンの脂肪燃焼効果について,L-カルニチンは,あくまでの脂肪の「運搬作用」を司っており,脂肪の燃焼には関与していないということです.脂肪を減らすためには,脂肪を運搬しやすい状態に「分解」すること,分解した脂肪酸を燃焼するところまで「運搬」すること,運搬した脂肪を「燃焼」させることの3点が必要です.脂肪を燃焼させるためには,「分解」,「燃焼」効果を促す運動を並行して行う必要があり,それ故に,L-カルニチンを摂取したからと言って痩せるということはありません

L-カルニチンの推奨摂取量

L-カルニチンの推奨摂取量については,体重 1 kg当たり20 mg程度でだいたい1000 mgが妥当とされています.

L-カルニチンは,体の中で作ることも可能ではありますが,その量は10 mg程度であり,加齢とともにその量も減っていくため,特に高齢の方で身体に脂肪をつけたくない方は意識的に摂取する必要があります.

カルニチンは,乳製品や肉などに含まれていることが多く,自分自身が思っている以上に摂取しているという場合はよくあると思います.参考までに,以下に主要食物のL-カルニチン含有量を記載します.

  • 調理したビーフステーキ (113 g):56-162 mg
  • 調理したひき肉 (113 g):87-99 mg
  • 牛乳 (240 ml):8 mg
  • 調理したタラ (113 mg):4-7mg
  • 調理した胸肉 (113 mg):3-5 mg
  • アイスクリーム (120 ml):3 mg
  • チェダーチーズ (57 g):2 mg
  • 全粒小麦粉のパン (2切れ):0.2 mg
  • アスパラガス (120 ml):0.1 mg

また,カルニチンが豊富に含まれているとされている羊肉ですが,ものによりますが,一般的には100 gでラム肉は80 mg,マトン肉は200 mg以上含有されているとされています.

以上の食品から推察される通り,カルニチンは地域によってはかなり豊富に摂取できている栄養素になります (オーストラリア,ニュージーランド,モンゴルは多く,インドは少ないといった具合です.).

現代人を考えてみると,タンパク質の様に筋肥大のためには摂取量がかなり足りていない栄養素ではありませんが,それでも1000 mg近くを食品から摂取することは大変ですので,サプリメントから摂取することも推奨されます.

L-カルニチンの摂取タイミング

Lカルニチンの摂取タイミングですが,L-カルニチンは遅効性の栄養素であり,摂取してから数時間後に効果が現れるとされるため,サプリメントとして摂取する場合には起床後すぐに摂取することをお勧めします.

それ以上に重要なこととされているのが,継続的にL-カルニチンを摂取するということです.L-カルニチンは,摂取後にすぐに効果が現れる栄養素ではないため,毎日規定の量を摂取することで,体内のL-カルニチンの濃度を上昇させ,それにより,L-カルニチンが効果を発揮しやすい状態を整えることが肝要です (すなわち,イメージとしては,クレアチンのローディングの様なイメージでしょうか.).

終わりに…

海外の脂肪燃焼系のサプリメントというと,やはり,エフェドラ (注意:日本ではいわゆる健康食品に使用することが禁止)などの刺激性が強いものが多く,それらは健康に悪影響がある可能性が高いことから,日本では認可が下りていないものが数多くあります.

その一方で,L-カルニチンはそれらのサプリメントと比較すると,比較的安全であり,摂取した場合の健康上のリスクも大きくないと考えられているため,脂肪燃焼系のサプリメントとしてはやはりお勧めだと思います.

ただ,サプリ単独では痩せないため,運動と組み合わせることをお忘れなく….

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