【サプリメント解説】パフォーマンスアップに寄与!クレアチンの効果

近年では,大変多くの栄養素がサプリメントとして販売されていますが,全てのものにおいてその効果が科学的に実証されているわけではありません.

これに対して,クレアチンは,数少ない科学的根拠のあるサプリメントではあるものの,他のサプリメント以上に,飲み方が煩雑であるという問題点を抱えています.

今回は,そんなクレアチンの効果,また,なぜクレアチンが煩わしいか,さらに,そんなクレアチンの飲み方まで皆さんに公開します.

クレアチンとは

クレアチンは,アミノ酸の一種で,体内ではその9割以上が骨格筋(骨格に沿って付いている筋肉でいわゆる我々が「筋肉」と呼称しているものと考えて差し支えありません)に存在します.

クレアチンは,比較的古くからその使用により効果が認められる栄養素であるという認識でしたが,本格的に研究が進んだのは1990年代以降です.

そんなクレアチンがパフォーマンスアップに寄与するメカニズムは,少し複雑です.

そもそも,我々の身体の動きは,アデノシン三リン酸(Adenosine TriphosPhate, ATP),通称,「エネルギ通貨」が非常に重要な役割を果たしています.筋肉は,ATPを分解する際に放出されるエネルギを用いて(エネルギが高い状態から,分解することで低い状態に遷移するためエネルギが放出されます)収縮します.

実際には,筋肉を動かす際には,以上を絶え間なく実施する必要があるため,一度,分解されたATPは直ちに再合成される必要があります.このATPの再合成には,クレアチンとリンが結合したクレアチンリン酸が必要です.つまり,クレアチンを摂取すれば,クレアチンリン酸を供給し続けることが可能となり,より筋肉が働きやすい環境を作ることができます

クレアチンの効果

クレアチンは,以下の3つの効果を期待できます.

  • 運動パフォーマンスの向上
  • 筋肥大
  • 疲労回復効果

運動パフォーマンスの向上

クレアチンを摂取することで,運動パフォーマンスの向上を期待できます (人によっては「爆発力がつく」と表現する方もいます).

前述したように,運動をするということは筋肉を動かす必要があり,そのためには筋肉の収縮と伸展を繰り返す必要があります.このためには,ATPの合成と分解を繰り返す必要があるため,クレアチンを摂取することでATPの再結合を促し,筋肉の稼働のためにATPを分解しやすい環境を整えます.

筋肥大

クレアチンを摂取することで,筋肥大を期待できます.

クレアチンは,筋肉を構成する栄養素ではありませんが,前述したように,クレアチンを摂取するということは,高強度のトレーニングをできるようになるということになります.強度が高いトレーニングは,より筋肉を破壊し,それに伴う超回復により効率的な筋肥大を期待できます.

疲労回復効果

クレアチンを摂取することで,疲労回復効果を期待できます.

クレアチンの効果というと,先に挙げた2つが非常に有名な一方で,近年の研究ではクレアチンの回復効果についても注目が集まっています.クレアチンを摂取することで,トレーニング後の乳酸値を低減させることができ,これにより,クレアチンの摂取は疲労回復効果があると指摘されている様です.

クレアチンはどんな人におすすめか

クレアチンは,基本的に全ての人におすすめです.

この最大の理由は,クレアチンは科学的に根拠のある栄養素であり,摂取しても身体になんらかの弊害が発生するわけではないためです.同じく,カフェインなども,パフォーマンスアップに寄与しますが,カフェインは人によって合う/合わないがはっきり分かれ,身体に合わないとお腹が緩くなったり,気持ち悪くなったりするという問題が発生することがあります.

クレアチンは,そもそもの筋肉を動かす際に発生している生理学的な反応を促すためのものであることから,摂取しても身体に問題が発生するということがほとんどなく,このことから,男女問わず,トレーニングをしている全ての方におすすめです.

クレアチンの摂取方法:ローディングについて

クレアチンをいざ摂取しようとして調べると,クレアチンが他のサプリメントと異なり「ローディング」が必要ということが分かり,これがクレアチンを摂取する上でが煩わしいと感じる最大の理由です.

クレアチンは飲むとすぐ効果が出るのではなく,血中のクレアチン濃度を高めることによって効果が出始めます.そのため,ローディングと言って,少しずつ体に貯める必要があります

いわゆる生理学的な実験というものは,実験対象を全く同一にすることが困難であるため再現性に乏しいと言われており,このローディングに関しても様々な意見がある様です.ただ,クレアチンの効果を発揮させる上ではローディングをさせるのが一番確かな方法であり,一般的なローディング方法としては,一日20g程度を4-5回に分けて摂取するという方法かと思います.これを1-2週間程度続けることで,クレアチンが身体のパフォーマンスを引き出すことができる様になります

クレアチンは,トレーニングだけではなく全ての競技に有効です.そのため,自分が一番パフォーマンスを発揮したい日から逆算してクレアチンをローディングするという方法もありかなと思います.

ただ,最近だとローディングが必要ないという非常に便利なクレアチンも存在します.そのため,急ぎでクレアチンの効果を得たいという方はこちらがおすすめです.

クレアチンの選び方

クレアチンのパウダーの粒径

クレアチンを選ぶ上で,パウダーの粒径は非常に重要です.

クレアチンは,そもそも水に溶けにくいのですが,安価な製品は粒径が粗く,シェイクしてもそれがシェイカーに残った状態になります(この状態だと,クレアチンをそもそも無駄遣いしているのに加えて,シェイカーを洗う際にシンクを汚すことが多いです).この問題を解決するためには,粒径を細かくすれば良いのですが,粒径の細かいクレアチンパウダーは使い勝手が悪化します.

具体的には,微粉化され過ぎていると,空気中の水分を吸いやすくなってしまうため,クレアチンが通常よりも早く湿気てしまいます (物によっては,湿気を吸い過ぎてクレアチン同士が固着します).また,掬ったときに飛び散りやすくなるという問題があります.

つまり,クレアチンを使用する上で,粒径と使い勝手の間にはトレードオフの関係があるということは認識しておくようにしましょう.

ローディングの有無

クレアチンを選ぶ上で,ローディングの有無は重要です.

これは,特に,クレアチンを初めて使用する人にとって重要で,クレアチンを初めて使用する場合には,もちろん,それまでにクレアチンを使用していないことからクレアチンがローディングされておらず,クレアチンが効果を発揮するのが難しくなります.

このことから,特に,クレアチンを初めて使用する人で,とにかく,すぐに効果が欲しいという場合には,前述したようなローディングが必要ないクレアチンを選択しましょう

価格

クレアチンを選ぶ上で,価格は非常に重要です.

クレアチンは,そもそも,そこまで高価な栄養素ではないですが,近年では製造方法が進歩したことに加えて,新興企業が多く参入した結果として,クレアチンの価格は大きく下がっています.ただし,クレアチンに関しては,値段が安いものは,そもそもの品質に問題があるということが多いです.

このため,特に品質にこだわる場合には,やや価格の高いクレアチンを選択するようにしましょう.

品質

クレアチンを選ぶ上で,品質は非常に重要です.

前述したように,近年では非常に多くの企業がクレアチンを販売した結果,クレアチンの価格は大きく下がっている一方で,粗悪なクレアチンも多く出回っています.

この問題に対して,高品質のクレアチンを購入したいという場合には,Creapure®︎(クレアピュア)を購入するのがおすすめです.クレアピュア®︎とは,ドイツのトロストベルクのアルツケム社が販売している最高級,最高品質のクレアチンのことであり,これが入っている製品には必ず,独自のマークが入っています.

クレアチンの摂取タイミングの例

クレアチンの摂取タイミングですが,基本的には,トレーニング前,中,後に満遍なく摂取することが好ましいです.

一般的にクレアチンは,糖質と一緒に摂取することが推奨されているため,食後やトレーニング前・後に飲むことが推奨されていることが多いかと思いますが,個人的にはトレーニングでクレアチンが消費されることから,トレーニング中に摂取することも推奨できます.

そのため,クレアチンは,例えば,トレーニング前・後で5gずつ,トレーニング中で10gをを目処に摂取するのが良いかと思われます.

例えば,私は以下の様にクレアチンを摂取しています.

  • トレーニング前: 5g
  • トレーニング中: 10g
  • トレーニング後: 5g

私は,クレアチンを摂取し始めてからもう長いため,ローディングのことはあまり気にせずに摂取しています.

トレーニング前

クレアチンはパフォーマンス向上効果があるため,トレーニング前に5 g摂取しています.

ただ,私の場合にはプレワークアウトサプリメントを同時に摂取することが多く,それらにもクレアチンが含まれているケースが多いため,実際にはこれ以上摂取していることが多いと思います.

トレーニング中・後

トレーニング中・後には,それぞれ,10 g,5 g摂取しています.

クレアチンは筋肉が収縮する際に消費されるため,トレーニング中に摂取することで,少しでもエネルギー量を増やして扱う重量を増やしたいという目的からトレーニング中にも摂取しています.

トレーニング後には,以上で消費されたクレアチンを補うこと,また,疲労回復効果もあるという報告もあるため,それらを意図して摂取しています.

終わりに…

実は,クレアチンの摂取を一時期やめたことがあるのですが,自分よりもバルクがある友人が「やはりクレアチンは良い」と言うことで,真剣にクレアチンをとったところ,確かにバルクが上がりました

摂取する際には,最低限,ローディングが必要であると言うことを念頭に置いておけば,タイミングに関してはそこまで大きな問題にはならないかと思います.

皆さんも,すぐに辞めるのではなく気長にクレアチンを摂って,驚愕のバルクを身につけましょう!

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