プロテインは,最も一般的なサプリメントであるため,その種類も豊富です.特に,トレーニングを始めたばかりの人は「一体何を飲めば良いのやら…」と感じている人も多い一方で,プロテインの種類はプロテインを摂取する上で最も重要であると言っても過言ではありません.
今回は,プロテインの種類について皆さんにご紹介します.
プロテインの種類
世間一般的に,プロテインは以下の様な種類があります.
- ホエイプロテイン
- カゼインプロテイン
- ソイプロテイン
- エッグプロテイン
- ビーフプロテイン
以上から分かるとおり,プロテインの原料によってプロテインは分類することができます.言い換えると,原料が異なれば,プロテインも異なるということなので,以上が有名なプロテインではあるものの,これ以外もあります.
以上を大雑把に分けると,動物性成分由来のホエイ,カゼイン,エッグ,ビーフ,植物性由来のソイプロテインに分けることができます.
ホエイプロテイン
ホエイプロテインは牛乳由来のプロテインです.
恐らく,最も一般的なプロテインと言われているのがホエイプロテインです.「知り合いでプロテインを飲んでる人がいる」という人がいれば,その9割以上はホエイプロテインを飲んでいると考えて問題ありません.
ホエイプロテインは,精製度合いによって,以下の4つの種類があります.
- ホエイプロテインコンセントレート (Whey Protein Concentrate, WPC)
- ホエイプロテインアイソレート (Whey Protein Isolate, WPI)
- ハイドライズドホエイプロテイン(Whey Protein Hydrolysate, WPH)
- CFMプロテイン (Cross Flow Micro-filtration, CFM)
ホエイプロテインコンセントレート(WPC)とは
WPCが最も一般的に知られている(購入されている)ホエイプロテインです.プロテインで迷った場合,初心者の方はこれを買っておけばまず間違いはありません.
WPCのメリットとして,速度は比較的早く,トレーニング前,後,間食時に摂取するのが向いています.
ただし,WPCには欠点もあり,体質によってはWPCを飲むとお腹を下してしまいます.これは,WPCがプロテインの精製度合いが高くなく乳糖を含んでいるためです.特に,乳糖不耐症の方はWPCを摂取するとお腹を下します.
ホエイプロテインアイソレート(WPI)とは
WPIは,やや上級者向けのプロテインです.トレーニングを本格的にしている人がトレーニング終わりに飲んでいることが多いです.
WPIのメリットとして,精製度合いが高く,プロテイン含有率が高い点です(WPIはWPCの純度を高めたイメージを持ってもらうとわかりやすいです.).このため,WPCと比較して不純物も少なく(=カロリーが少なく),吸収速度がさらに優れます.
WPIのデメリットとして,値段が高い点であり,感覚的にWPCの1.2-1.5倍くらいの値段がします(物によります.).
ハイドライズドホエイプロテイン(WPH)とは
WPHは,かなりの上級者向けのプロテインです.WPIだけでは満足できないコアなトレーニーが飲んでいる印象が強いです.
WPHは,別名,「ホエイペプチド」と呼ばれるプロテインであり,ペプチド状態であるため通常のWPIよりも消化吸収が早いのが特徴です.WPHは,息が上がっている時に摂取すると効果的であるため,トレーニング中,後に摂取するのがおすすめです.海外のボディビルダーが使っている印象はあまりありませんが,日本のトップレベルのボディビルダーがこぞって使っていると言う印象です .
WPHのデメリットとして,価格が非常に高く,感覚的にWPCの2倍くらいの値段がします.
CFMプロテイン
CFMプロテインは,意図して使っている人が多いかというと,おそらくそうでもなく,特定のブランドから購入した結果,CFMを使用している人が多いのではないでしょうか.
CFMは,特殊なフィルターを使ってプロテインの精製度を高めたものです.プロテインは,精製時のフィルターの種類によって精製度合いが異なるのですが,CFMは特殊なフィルターで,WPIよりもさらに精製度合を高めています.
ただし,CFMも値段が高く,WPIとWPHの間くらいの値段がします.
余談ですが,CFMは日本のメーカー(特に,ゴールドジム)でしか販売されていないのかなと考え,調べてみると海外のブランドも販売しています.
カゼインプロテイン
カゼインプロテインのホエイプロテインと同様に牛乳由来のプロテインです.
ホエイプロテインが牛乳の水に溶けやすい成分から精製されているのに対して,カゼインプロテインは牛乳の水に溶けにくい成分から精製されています.そのため,カゼインプロテインはホエイプロテインよりも水に溶けやすくするために,粒子が細かく,プロテインパウダーの扱いに苦労するという印象があります.
カゼインプロテインの特徴として,吸収がゆっくりしていると言う点があります.そのため,トレーニング直後の摂取には向いていませんが,就寝時など起床まで食事の時間が空いてしまう際に摂取するのに向いています.
一方で,ホエイプロテインと比較すると,非常に粉っぽい製品が多いです.つまり,水に溶けにくく,扱いには苦労するため,万人におすすめできるわけではありません.
ソイプロテイン
ソイプロテインは,大豆由来のプロテインです.
プロテインの種類の中では,価格が非常に安いというのが特徴です.
一方,ソイプロテインは,飲みにくいものが多く(豆っぽい感じがするため,好き嫌いがはっきりわかれます),また,飲むと満腹感を感じやすいという特徴もあります.そのため,ダイエット時に間食として摂取するという使い方もできます.吸収速度はカゼインプロテインと同様にゆっくりです.
大豆がイソフラボンを豊富に含んでおり,また,イソフラボンが女性ホルモンであるエストロゲンの効果を促進することから,女性が飲んでいることが多いのが印象です.男性で摂取しているという方はあまり見ませんが,吸収速度がカゼインプロテインよりも遅いということは特徴的で,寝る前に摂取などうまく使用すれば有効活用できるかもしれませんが,基本的にはあまりおすすめではありません.
エッグプロテイン
エッグプロテインは,エッグ(=卵)由来のプロテインです.エッグプロテインを単独で買って摂取していると言う方は,かなりのサプリメント好きです.
エッグプロテインは,「アミノ酸スコアが非常に高い卵をプロテインにすれば栄養価の高いプロテインができるのでは」というコンセプトを基に作られたプロテインです.ただ,臭いがかなり独特であるのと,飲みにくいものが多いため,万人受けしにくいプロテインです.
個人的な意見として,「エッグプロテイン飲むなら卵食べれば良いので」はと言う感じです (実際に卵白も単独で売っていますし…).
ビーフプロテイン
ビーフプロテインは,名前の如く,ビーフ(=牛肉)由来のプロテインです.エッグプロテインと同様に,これもかなりニッチなプロテインで好き好んで飲んでるという方はあまり見たことがありません.
そもそも,牛肉はクレアチンを豊富に含んでいるので,「ビーフを摂取すれば身体は大きくなる」というコンセプトの基に作られているプロテインですが,これも味が少し独特みたいです (どうやら塩気があるみたいですね.).
ビーフプロテインを販売しているメーカーは,私の知っている限りではMuscle Medsのカル二ボアしかありません.
終わりに…
他にも調べるとプロテインの種類はまだあるようですが,大まかには今回紹介したものになります.基本的にはWPCを飲んでおけば,まず間違いはありませんが,吸収速度の違いを利用した色々なプロテインを摂取するというのもありかなと思います.
また,海外では,複数のプロテインを混合して,タイムリリース型のプロテインなるものが流行しているようです.
自身の用途に合わせて摂取するプロテインを決めましょう.