トレーニングをする人にとって最も基本的なサプリメントはプロテインです.プロテインの重要性については,多くの人が理解しているため,比較的多数の人が摂取しているサプリメントです.
プロテインを摂取しているという人が次に摂取して欲しいサプリメントはBCAAです.BCAAを摂取するだけで,トレーニング効果を大きく向上させることが可能です.
今回は,BCAAの効果,摂取タイミングについてご紹介します.
BCAAとは
BCAA とは,Branched Chain Amino Acid(分枝鎖アミノ酸 )の略称です.
そもそも,我々の身体は20種類のアミノ酸から構成されていますが,それらは体内で合成できる非必須アミノ酸(体内で合成できることから,食べ物などから摂取する必要がなく,「非必須」と呼ばれています)と,体内で合成できない必須アミノ酸(体内で合成できないことから,食べ物などから摂取する必要があり,「非必須」と呼ばれています)に分類できます.
BCAAは,必須アミノ酸の中でもバリン,ロイシン,イソロイシンの3つを指します.
BCAAの効果
バリンの効果
バリンは筋肉の修復に効果があります.したがって,激しいトレーニングをした後には必須のアミノ酸です.
そのほか,バリンには血液中の窒素を調整する役割があります.タンパク質を摂取すると体内でそれが利用されることで窒素となり,腎臓で濾過されますが,腎臓の機能不全により濾過れなかった窒素が血液中に溶け込みます.すなわち,窒素の量が多いほど腎臓が機能不全になっていると言うことですが,バリンには,その血液中での窒素量を調整する役割もあります (年をとってくると有り難さがわかるアミノ酸ですね,).
ロイシンの効果
ロイシンは,タンパク質の合成を促し,分解を防ぐ効果があります.したがって,BCAAの成分の中で一番トレーニング好きな人に喜ばれる成分です.
そのため,ロイシン単独で摂取したいと言うのが本音なのですが,ロイシンは苦味があるため単独摂取を継続することが難しいサプリメントでもあります(人工甘味料が入っていないBCAAが苦いといわれるのは,このロイシンのせいでもあります.).そのため,甘味料が入った状態でBCAAにてロイシンを摂取するというのが一般的です (上級者向けに,ロイシン単独でも販売されています.).
イソロイシンの効果
イソロイシンは,疲労回復を促し,成長を促進させるアミノ酸です.
また,イソロイシン には,血管拡張作用があります.血管拡張作用 (=パンプ)はトレーニングに置いて重要な役割を果たしており,特に窒素系統の化合物はパンプに大きな影響を与え,トレーニング効果の増大に寄与します.
BCAAはどんな人におすすめか
BCAAは全ての人におすすめです.
BCAAはトレーニング中に摂取することで,エネルギー源になり,異化作用(=筋肉を分解すること)を防止します.特に,トレーニングが長時間(1時間以上)になってくると,異化作用が顕著になってくるため,トレーニング時間が長い方はぜひ摂取したいサプリメントです.
他にも,トレーニング中の異化作用を防ぐということは効率的に筋肥大をすることにもつながるため,トレーニングレベルに関係なく,全ての方におすすめです.
BCAAの摂取タイミングの例
BCAAの摂取タイミングですが,基本的には,トレーニング前,中,後に満遍なく摂取することが好ましいです.
そもそも,BCAAを満遍なく積極的に摂取する最大の理由は,BCAAのそれぞれの成分が独自の役割を狙っているというものもあるのですが,それに加えて,BCAAが吸収が格段に早いと言うメリットがあるためです.
そのため,BCAAは,まず,トレーニング前・中・後で10gずつを目処に摂取するのが良いかと思われます.
例えば,私は以下の様にBCAAを摂取しています.
- トレーニング前: 15g
- トレーニング中: 35g
- (トレーニング後: 約10g)
トレーニング前のBCAA摂取
トレーニング前には,前もって準備ができれば,BCAAの代わりにプロテインでも良いのですが,トレーニング60分前からプロテインを飲む余裕がないためBCAAを摂取しています.
また,BCAAはプロテインと比較してカロリーが少ないため,サプリメントからのカロリーをできるだけ少なくしようと考えBCAAをトレーニング直前に摂取しています.一方,以上を言い換えると,増量期など,積極的に体重を増やす必要がある場合にはプロテイン(と炭水化物)を摂取する方がおすすめです.
トレーニング中のBCAA摂取
トレーニング中には,各種目を行った後から即座に筋肉の修復したいという意図からトレーニング中にも30 g程度摂取します.
BCAAは吸収速度に非常に優れることから,トレーニング中に摂取することにも非常に適しています.私の場合には,事前にシェイカーに入れて,水で溶かした状態で飲んでいますが,BCAAを「ビルダー飲み」で直接摂取している人も多いです.
トレーニング後のBCAA摂取
トレーニング後には,BCAAを”サプリメントとして”摂取している訳ではありませんが,一般的にプロテインにBCAAは多少含まれているため,実際はトレーニング後にも10g前後BCAAを摂取していることになります.
プロテインはタンパク質が主成分ですが,そのタンパク質を構成しているものがアミノ酸となります.すなわち,プロテインは吸収に時間がかかかる (30-60分程度)のですが,アミノ酸は既に分解された状態であるため吸収に時間がかからず (10分程度),トレーニング後に摂取することで即座に筋肉の成長に寄与するということです.
BCAAの選び方
品質
BCAAは,ものによって品質が大きく異なります.
一昔前まで,BCAAは比較的,値段の高いサプリメントでしたが,近年のフィットネスブームに伴い多くの企業がサプリメントを販売するようになり,価格競争が生まれ,値段は大きく低下しました.
その一方で,製品によって品質は大きく異なり,粗悪なBCAAは,動物の毛などの老廃物から作っていると言われており,注意が必要です.
価格
BCAAは,ものによって価格が大きく異なります.
BCAAは,BCAAに加えて,その他の成分が含まれていることが多いです.それに応じて,BCAAがどのような場面で使用されるかが意図されているのですが,その成分によって価格が異なることが多いです.
また,低品質のBCAAは価格が異常に安いことが多く,注意が必要です.
このため,自身の使用用とに合致した成分が含まれているかどうか,また,品質が悪くないか考慮に入れた上で価格を吟味しましょう.
配合比率
BCAAは商品によって,各アミノ酸の配合比率が異なります.サプリメントの本場,アメリカだと同じ会社で出している商品でも,複数種類のアミノ酸配合率が異なる製品を販売している会社も存在します.
アミノ酸の配合比率は,上記のどのアミノ酸に重きを置いて摂取したいかと言うことになるため,マニアックな人はかなり吟味して購入します.ですが,基本的には,どの製品を買っても全て配合されているため,成分よりもまずは長く続けられる味,値段の物を選択すべきです.
終わりに…
BCAAはハードにトレーニングしている方なら絶対に摂っていただきたいサプリメントです.最近では,価格も安いBCAAも増えてきているため,初心者の方でもそこまで敷居が高くないで摂取することができるサプリメントです.