90年代からのボディビルダーの巨大化に伴って,特にオープンクラスにおいては70年代から80年代の選手がポージングルーティンとして取り入れていたバキュームポーズができない選手が大多数と言っても過言ではありません.
今回,オープンクラスの選手であるCharles Griffen 「オープンクラスの選手はバキュームポーズができない」という従来の概念を覆すポージングを行っていたので皆さんとシェアしたいと思います!
Charles Griffenとは
Charles Griffenは,1982年アメリカ出身のプロボディビルダーです.身長は175cm,体重は約107-111 kgです.
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彼は2015 NPC Nationalsで優勝することでプロカードを取得し,翌年2016年の Ferrigno Legacy Proでは5位に入賞します.
躍進の年となったのが2018年であり,2018 Indy Proで2位, 2018 Muscle Mayhem Proで優勝することでオリンピアに初出場し,オリンピア 2018では13位に入ります.
ただ,翌年2019年はTampa Pro (タンパプロ)に出場し,7位と2018年の成績と比較すると物足りない成績に終わりました.
2020年から2021年は恐らくコンテストには出場しないでオフシーズンを設けることにより身体が大きく改善し,タンパプロ 2021には優勝候補の一人として数えられ,3位に入賞しました.
プロカードを取得するまでは,彼はびっくりするほどサイズがある選手ではなかったのですが,2021年にタンパプロに出場したときはそれまでと比較して筋密度がとんでもないことになっており,特に上半身は圧巻でした.
ただ,コンディションが抜群というわけではなく,特にミッドセクションはバブルガットの様な大きな膨らみはないものの,若干崩れている感じがしたということから分かる通り,彼は特段,ミッドセクションが強い選手ではないとというのが今回のポイントです.
Charles Griffenのバキュームポーズ
今回紹介するCharles Griffenのバキュームポーズは,彼の以下のインスタグラムの投稿で確認することができます.
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このバキュームポーズですが,完全にバキュームされてているというのがかなり凄く,これだけ見ると,彼がクラシックフィジークのカテゴリーにも出場できるのではないかと思えるくらいです.
冒頭でも述べた通り,近年のオープンクラスの選手は身体全体で筋肉量を増やすために,どうしてもミッドセクションがタイトに保てなくなっている選手が多く,これにより,オープンクラスの選手がバキュームポーズをするというのは全く一般的ではありませんでした.
ただ,近年では特にウエストラインがタイトである方がジャッジに有利であるという背景があり,これにより,ミッドセクションを如何にしてコントロールしていくかということが重要になっています.今回,このジャッジ基準に対応すべく,彼はバキュームポーズを披露していることになりますが,前述したオープンクラスの選手での実施の難しさ,また,彼がそもそもミッドセクションが抜群に強い選手ではないということを考慮に入れるとこのバキュームポーズをするためにかなりの努力をしていることが分かります.
クラシックフィジークでは,バキュームポーズを取れないと上位に入賞できないということが一般的になりつつありますが,オープンクラスではそれが当たり前ではありません.Charles Griffenがこのままバキュームポーズを取れるくらいミッドセクションをコントロールし,身体全体のコンディションが良い状態のままでコンテストに出場できれば,彼がジャッジの根底を覆す”Game Changer”になる可能性すらありますね.
終わりに…
クラシックフィジークというカテゴリーが存在するため,一概に,オープンクラスでバキュームポーズが評価されるのかどうかは難しい問題です.
ただ,2021年から続く著名な選手の死により,ボディビルダーの巨大化に対して疑問を投げかける議論がされていることから,バキュームポーズをできるくらいウエストをコントロールした状態にするためには必然的にサイズを抑える必要があり,このことからバキュームポーズがオープンクラスでも潮流になる可能性はあると思います.