フレックスウィーラーが示唆するPEDユーザーの増加

2021年から2022年にかけての複数の著名なボディビルダーの死去から,ボディビルディングと健康の関係について様々な議論がされています.

その中のトピックの一つとして,ステロイドの様なPEDs (Performance enhancing drug)と健康の関係が指摘されていますが,この問題について,往年の名選手の一人であるFlex Wheeler (フレックスウィーラー)が,PEDユーザーの増加を示唆している動画を見つたのでシェアしたいと思います.

フレックスウィーラーとは

フレックスウィーラーは,1965年アメリカ生まれのプロボディビルダーです.身長は175 cm,体重はオンシーズンで96-109 kgだったようです.

 

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彼は90年代から2000年代の初頭に活躍したプロボディビルダーです.

彼は,1992 USA Championshipsで優勝し,プロカードを取得します.翌年1993年からプロコンテストに出場し,クラシックフィジークで出場した2015年を含め8度出場し,1993,1998,1999には2位になりました.

あの,アーノルドシュワルツェネッガーにして,「今まで見た中で最高のボディビルダーの一人」と言わしめ,ライバルだったロニーコールマンからは,「遺伝的に最も優れた選手」と評価されていました.また,同じくライバルだったDorian Yates (ドリアンイェーツ)からは,「車の事故がなければオリンピア 1994を制したのはフレックスウィーラー (1994年にフレックスウィーラーは車の事故に遭い出場できませんでした.)と評価されていることからわかる通り,とんでもない実力をもった選手でした.

彼が活躍した,90年代から2000年代は,ドリアンイェーツやロニーコールマンが活躍しており,バルクが最重要視されていた時代でした (現在は,バルクというよりもコンディションが重視されていますよね.).そのため,当時のボディビルダーと現在のボディビルダーを比較すると,当時のボディビルダーの方がサイズがあるというのはよくある話です.

フレックスウィーラーは,そのバルク全盛期の時代でも,プローポーションが優れていた数少ないボディビルダーでした (その他に,プロポーションが優れていたボディビルダーを挙げるとするならば,ショーン・レイになるでしょう.).彼は,ジェイカトラーが台頭してくるまでは,ロニーコールマンの最大のライバルと認識されていました.実際に,1998年,1999年のミスターオリンピアでは,ロニーコールマンに次いでの2位2000年のミスターオリンピアではロニーコールマン,Kevin Levroneに次いでの3位でした.

実際には,ミスターオリンピアを獲得するまでには至りませんでしたが,ジャッジ基準が今日の様な基準であったならば結果はどうなっていたか分かりません.

2003年を最後に,ステージから遠ざかっていましたが (確か,彼の腎臓の病のためです.),2017年にクラシックフィジークのオリンピアのステージにカムバックしました.往年のサイズ感はありませんでしたが,正に年齢を感じさせない身体でしたね (実際の順位は15位でした.).

 

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Embracing the moment! #MrOlympia

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彼は1965年生まれであるため,2017年というと52歳に相当します.52歳でこの身体はやはり凄すぎますね.

フレックスウィーラーがPEDユーザーの増加を示唆した動画

フレックスウィーラーがPEDユーザーの増加を示唆した動画は以下です.

動画の作成元は,Muscle and Fitnessです.

動画の長さは,2:08:08です.

今回の動画では,動画のサムネイルで左順からMilos Sarcev (ミロス),Dennis James (デニスジェイムズ),Chris Cormier (クリスカミーア),Flex Wheeler (フレックスウィーラー)です.

以上の超豪華な4人がPEDの使用について議論している動画になります.

フレックスウィーラーが示唆するPEDユーザーの増加

フレックスウィーラーが示唆するスPEDユーザーの増加ですが以下です.

Because we traveled the world, and what was some of the first questions we get from all around the world: “What drugs do you take?” It’s not about back in our era when we were going to seminars, we want to know about their diets and training. How did they diet, how did they train, how did they do this. You go to any seminar now, and I guarantee you, one of the top ten questions is going to be what kind of steroids

世界中を旅して最初に聞かれるのは 「どんなドラッグを飲んでいるの?」という質問でした.私たちの時代にはセミナーではこのような質問はなく,むしろ,セミナー参加者はどうやってダイエットしたのか,どうやってトレーニングしたのか,どうやってこれをやったのかということを知りたかったのです.今,どんなセミナーに行っても,上位10個の質問のうち1つはどんなステロイドを使ったかということだと断言できます.

「どのようなドラッグを飲んでいるのか」という質問は,日本では少し考えられない質問ではありますが,さすがその辺はアメリカらしいといえばアメリカらしいです.

昔はインターネットの普及がなく,トレーニングに関連する知識を手に入れるための方法が限定的だったということもあり,セミナー参加者の質問内容がトレーニング内容やダイエット方法だったということも考えられます.ただ,日本人の選手のセミナーを聞いていればわかる通り,以上のような質問は現在でもセミナーの大部分を占めていることが言え,ここで,「どのようなドラッグを飲んでいるのか」という質問が上位に来るということは,確実にPEDユーザーが増加していることを示唆していると考えられます.

以上の質問に対して,フレックスウィーラーは,次世代の選手が自分の真似をしてドラッグを摂取することを防ぐために,基本的には回答しないという姿勢をとっているようです.

終わりに…

インターネットが過度に普及している現在では,調べるとPEDに分類されるドラッグやその使用サイクルも知ることができますが,それをIFBBプロに聞いてしまう人がいるということから,着実にステロイドをはじめとするPEDのユーザーが増えていることがわかります.

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