ロサンゼルスのトーランスにあるパワーハウスジムのオーナーは,かつてボディビルダーとしても活躍したDave Fisherです.ちなみに,世界各国にあるパワーハウスジムの中でも人の名前がついているのは世界に3店舗しかなく,その一店舗がこのDave Fisher’s パワーハウスジムです.
今回は,山岸秀匡選手がDave Fisherにコンテストに向けたダイエット方法についてインタビューをしている動画を見つけ,その動画の内容がかなり興味深かったため皆さんにシェアさせて頂きます!
Dave Fisherのコンディションの作り方解説
今回の情報ですが,以下の動画になります.
今回の動画ですが,冒頭の山岸選手の興奮具合がすごいですね笑.
Dave Fisher’s パワーハウスジムに行くと分かりますが,受付を抜けて歩いていくと,トイレの手前に往年のボディビルダーの写真が飾ってあります.その中に,オーナーであるDave Fisherもおり,その写真コンディションが非常に素晴らしかったということから動画は始まっています.
この写真ですが,Dave Fisher (写真左)のカリフォルニアでのプロデビュー戦である1995年のアイアンマンプロの写真の様です (プロデビュー自体はそれより前のコンテストでしていた様です.).その時のファーストコールが,全盛期のフレックスウィーラー (写真真ん中),Aaron Baker (写真右)であり,セカンドコール以降でリープリースト (写真で右から二番目でこちら側を向いている人)が呼ばれていたことから,Dave Fisherのコンディションが如何に優れていたかわかるかと思います.
ちなみに,以下がDave Fisherです.
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以下がフレックスウィーラーです.
以下がAaron Bykerです.
以下がリープリーストです.
Dave Fisherのコンディションの作りのポイント
Dave Fisherのコンテストに向けたコンディションは16週間に及びダイエットから構成されています.
ただ,各フェイズで実施することは異なります.
オフシーズン
オフシーズンは,今回の話から推測するに,結構外食が多い様ですね.
カロリーの摂取量もあまり気にせず,鶏肉もフライドチキンを食べる様です.
まだ楽:16週間前-12週間
16週間前になると,外食をやめ,自炊する様にします.このときは,まだカロリーの計算はしません.
外食から自炊になるため,必然的に食事はクリーンなものになります.それにボディビルダーの代謝が合わさるため,これだけでも体重はある程度減少することが予想されます.
16週間前の段階では,鳥もも肉 (皮なし)を1日に8本食べている様ですが,12週間前になるとこれを脂肪分の少ない鶏胸肉に置き換える様です.
“食事をクリーンにして,自炊に慣れる“というコンセプトが最初の一ヶ月間であり,炭水化物をコントロールしていないためまだまだ体には楽であるとDaveは語っています.
まあきつい:12週間前-8週間前
12週間前に入ると,全ての食材の量を測ります.ここで,タンパク質 (Protein),脂質 (Fat),炭水化物 (Carbohydrate),いわゆるPFCはすべて記録します.一方,炭水化物の量は記録するだけで制限しません.
また,まずは,1日30分の有酸素運動を始めます.
以上により,身体がどの様に変化していくかモニタリングしていきます.
この次の段階として,タンパク質を毎日正確に400 gずつ摂取していきます (これは,コンテスト当日まで続きます).このタンパク質400 gですが,Daveの身体が仕上がり体重で95 kg位しかないため,体重の4倍以上を摂取することになります.一般的には,体重の1.5倍から2倍と言われているため相当多いですね.
また,有酸素運動の時間を45分に増やします,
ここで身体をモニタリングしているため、絞り加減に応じて炭水化物を減らしていきます.
きつい:8週間前-5週間前
8週間前になると,炭水化物の量をかなり制限します.また,タンパク質の摂取源も非常に限定的にし,白身魚 ( = ティラピア)と鶏胸肉のみとなります.
また,有酸素運動を一日1時間を2セット,朝と晩に行います.カロリーをかなり制限しているため,これは相当ハードですよね….
かなりきつい:4週間前-3週間前
4週間前からは,1日2時間行う有酸素運動をとにかく本気で実施します.バイクをだらだら漕ぐのではなく,一番負荷が高い状態でそれを全力で1時間漕ぐというものです (ちなみに,終わると汗で水たまりができて倒れるそうです….).
これは相当やばいです.これだけやばい有酸素運動をすればあれだけの臀部のコンディションになることは容易に想像できますね….
地獄:3週間前-
3週間前からは,食べるものはトマトと白身魚だけになります.2枚のティラピアと1個のトマトを一日,5-6回食べます.
もちろん,これだけカロリーを制限していても前述の有酸素運動を実施し,トレーニングも実施します.
カーボアップはしない
ボディビルディングでは,炭水化物を体から抜き切った後に炭水化物を補給するカーボアップが非常に一般的ですが,当時の彼はカーボアップをしなかった様です.理由としては,カーボアップには失敗するリスクがあったためです.
地獄の様な16週間をかけて作ったコンディションをたった数日のカーボアップで台無しになる可能性があり,そのリスクを考えるとカーボアップをせずに,かなりドライなコンディションでコンテストに出場していた様です.ただ,今なら,絶対にカーボアップするとも述べており,事実,コンテスト後に雑誌の撮影などをすると,そのときの方がコンディションが良いということが多々あった様です.
(ちなみに,プロカードを取得したときは,Chris Acetoに師事してカーボアップはしていた様です.)
ただ,この様な選択をした背景として,彼自身,他の競技者と比べてサイズがなかったため,彼らと勝負をするためにはコンディションを突き詰めていくしかないという結論になっていたためです.
終わりに…
今回,特に特徴的だと感じたのが有酸素運動の方法だと思います.有酸素運動は一定のリズムで呼吸を上げる程度で実施する人が多い中で,倒れる位の強度で実施するとは,考えただけでも相当きつそうですよね.