デレクランスフォードは非常に難しい立ち位置にいる

オリンピア 2021の212 lbsクラスのチャンピオンであるDerek Lunsford (デレクランスフォード)は,Pittsburgh Pro (ピッツバーグプロ) 2022で非常に素晴らしいし状態を披露し,オープンクラス転向の可能性が指摘されています.

現状,デレクランスフォードは,オリンピア 2021を制したため,212 lbsクラスについては半永久的に出場権を得ていますが,2022のオフシーズンにサイズアップした影響で体重がリミットに収まらない可能性がある様です.

この場合,彼は,オープンクラスに出場するということになりますが,彼がオープンクラスに出場するためには様々なハードルがあり,これにより,現状,デレクランスフォードは非常に難しい立ち位置にいるということが言えます.

今回は,デレクランスフォードのオリンピア出場について,オリンピアのトップであるDan Solomonがコメントしている動画を見つけたため,皆さんとシェアしたいと思います.

Derek Lunsfordとは

Derek Lunsfordは,1993年生まれのアメリカ出身のプロボディビルダーです.身長は167.5 cm,体重は88.3 kg-93.0 kgと言われています.

 

この投稿をInstagramで見る

 

Derek Lunsford(@dereklunsford_)がシェアした投稿

彼は,非常に才能に溢れた選手であり,2017年にNPC USA Championshipsで優勝することで若干24歳にしてプロカードを取得します.プロカード取得から1ヶ月後に行われたタンパプロ 2017の212ポンドクラスで優勝し,オリンピア 2017の獲得権を得ます.そこで,初出場ながら,オリンピア 2017では5位に入賞し,非常に注目を集めました.

それからも彼の快進撃は続き,オリンピア 2018では,絶対王者フレックスルイスに肉薄する形で2位に入賞し,オリンピア 2018を最後にフレックスルイスが212ポンドクラスから引退することを宣言したことから,ここからは,誰もがDerek Lunsfordの時代になると思いました (非常に若く,優れた肉体を持っていたからです.).

ただし,そこからは我慢の年が続きます.オリンピア 2019では,多くの人がDerek Lunsfordの優勝を予想する中で,彼のコンディションは芳しくなく2位に終わります.また,その翌年のオリンピア 2020でも彼のコンディションは一向に改善することはなく,まさかの4位に終わります.

オリンピア 2020で4位になったことを転機に,彼はコーチとして新たにHany Rambodを招聘し,オリンピア2021では彼史上,最高のコンディションを披露することで初優勝を果たしました.

Dan Solomonがデレクランスフォードのオリンピア出場に関して言及した動画

Dan Solomonがデレクランスフォードのオリンピア出場に関して言及した動画は以下です.

動画の作製元は,OlympiaTVです.

動画の長さは2:47です.

オリンピアの中でも,階級によってヒエラルキーが存在するということは多くの人によって指摘されており,それは,オープンクラス,すなわち,ミスターオリンピアがトップとなる階層構造になっていると言われています.

その中で,オリンピアのトップが212 クラスの選手であるデレクランスフォードについて言及するというのは非常に珍しいことであると思います.

Dan Solomonはデレクランスフォードは”難しい立ち位置”にいると指摘

今回の動画にて,Dan Solomonは,デレクランスフォードの現在の状況について以下のように述べています.

So Derek Lunsford’s situation is more unique than any other. First of all, he is the reigning 212 champion. He hasn’t even had a chance to go in and defend his 212 title yet, that’s the first thing. But then we have a health issue. Not saying Derek has a health issue, Derek is very healthy, so let me be clear about that. Here’s why it’s a health issue. Derek is no where near 212 at this point. We’ve seen it.

Derek is much bigger than 212. Then, we ask ourselves, what does he have to put his body through to get under 212-pounds. That’s a legitimate question right? We’re all wondering that.

デレクランスフォードの状況は他の誰よりも特殊なのです.まず第一に,彼は212クラスの現役チャンピオンです.彼はまだ212のタイトルを防衛したことがありません.それがまず第一です.しかし,その一方で健康上の問題もあります.デレクランスフォードに健康問題があるとは言っておりません.彼はとても健康です.だから,そのことをはっきりさせておきましょう.なぜ健康上の問題なのか?彼は今のところ212 lbsからははるかに重い体重です.私たちはそれを見てきました.

彼は212 lbsよりずっと大きいんです.212 lbsを切るためにどんな減量法を実施するのか?それは正しいのか?みんなそう思っているのです.

この動画が投稿されたのが2022/07/10であり,オリンピア 2022には12月開催であることから,5か月以上の期間があります.このことから,デレクランスフォードが212 lbsクラスの制限体重を大きく上回っていても,コンテスト準備に取り掛かっていないという理由で,通常,そこまで問題になることではありません

それでも,Dan Solomonがここまで言うということは,デレクランスフォードの体重が制限に対して,通常の減量ではどうにもならないレベルの体重にあるということを示唆していると考えられます.

当然,212 lbsクラスでは,体重が超えれば失格になるため,彼が212 lbsクラスに出場するならば,尋常ではないレベルのダイエットをする必要があるということになります.ただ,近年では,著名なボディビルダーが急死しているという背景もあり,オリンピアでのコンディション至上主義を変革しようとする動きもあるため,トップであるDan Solomonが今回,デレクランスフォードに対して言及していると考えられます.

“There might not be a place for him in the show. The question for us becomes, do we want to put on an Olympia without Derek Lunsford in the contest? That’s a conversation for you know, Jim Manion, Tyler, Jake [Wood] that we will have to have when that time comes. Right now, we’re not thinking too much about it, but you asked the question, and it’s definitely a good one because Derek has found himself in a situation that we’ve never delt with before.”

ショーに彼の居場所はないかもしれません.デレクランスフォードが出場しないオリンピアを開催したいのか?それはジムマニオン,テイラーマニオン,ジェイクウッドがその時になってから話すことです.今はまだあまり考えていないが質問されたことは間違いなく良いことです.デレクはこれまで経験したことのない状況に置かれているのです.

現状の彼の状況を考えると,リミットオーバーであるためオリンピアに向けてそもそも準備をしないという可能性も少なからず考えられますが,それを解決するのは,彼がオープンクラスに出場することです.

ただ,現状の状態からコンテスト状態に急に持って行くことは考え難く,そうなった場合,彼がオリンピアに出場するためには,special invitationを受け取る必要がありますが,近年では,オリンピア側がspecial invitationの制限を大きくしようしていることもあり,あまり現実的ではありません.

こうなると,本当に,デレクランスフォードがオリンピアに出場しないという可能性もありそうです.

終わりに…

一方で,彼のコーチであるHany Rambod (ハニーランボット)は,デレクランスフォードのサイズが一種の”インフレ状態”であることを指摘しており,このことから,212 lbsまで絞り切る余裕があるということが伺えます.

このため,ハニーランボットの考えを伺う限りでは,やはり,212 lbsクラスに出場するような気もしますが,どうなるかは難しい問題です.

関連記事