休んで小さくなった筋肉も戻ります!マッスルメモリーとは

昨今の事情により,「トレーニングを長い間休んでしまった」という方は非常に多いと思います.

1週間程度なら良いのですが,1ヶ月以上トレーニングを休んでしまうと,「以前の様な重量を扱えるのかどうか」,また,「以前の様な身体に戻れるのかどうか」が非常に心配になると思いますが,心配無用です!トレーニングを長く休んでしまっても,身体は元に戻ります.

今回は,「長い間トレーニングを休んでしまっても,トレーニングをすればトレーニングを休む前の身体に戻る」というマッスルメモリーについて皆さんとシェアしたいと思います!

マッスルメモリーとは

マッスルメモリーとは,一言で言うならば,「昔扱えていた重量は身体が覚えている」ということです.私は,以前までは,マッスルメモリーに関して土着的に使われている表現であると勘違いしていましたが,実際にマッスルメモリーの原理については科学的に証明されています

マッスルメモリーの原理

まずは,マッスルメモリーの原理について説明します.

我々の筋肉は,筋繊維の集合体であり,筋繊維を微視的に見ればそれらは核を持っています.この核の中に,DNAが存在し,DNAから様々な情報を伝達することで筋肉は作られます.すなわち,この情報伝達の量が多いほど,筋合成が盛んに行われることから,「核を増やす」ということが筋肉を発達させることに直結します.「核を増やす」ためには,筋繊維を刺激する必要,すなわち筋トレをする必要があり,だからこそ,我々は筋肉を増やすために筋トレをします.

以上の筋トレで生成された核は,トレーニングを休んでもなくならないという特徴があります.だからこそ,長い間休んでしまっても,比較的短期間で元の重量を扱える様になります.

マッスルメモリーで筋肉が戻るまでの期間

次に,マッスルメモリーにより,筋肉が戻るまでの期間について説明します.

以前までは,マッスルメモリーは比較的短いスパン (数ヶ月程度)の中で有効であることが示唆されていましたが,近年では,数年単位のスパンで効果があることが証明されています.

ただ,その戻る期間は個人によって大きく異なります.これは,前述した通り,マッスルメモリー自体が,筋繊維中に存在する「核」の数に依存するためです.すなわち言い換えれば,元々,非常に高頻度でトレーニングを行い,筋肉が発達しているほどマッスルメモリーにより元に戻るまでの期間は短く,逆に,筋肉があまり発達していない人は少々時間がかかるということです.ただ,いずれの人でも,トレーニングを休む前に,一から筋肉を発達させるまでにかかった時間よりも非常に短い時間で元に戻すことが可能です.

マッスルメモリーを体現した選手

マッスルメモリーを体現した選手といえば,やはり,Kevin Levroneですよね.

Kevin Levroneは主に1990年代に活躍した選手であり,1992年,1995年のオリンピアでは2位に輝くなど,トップレベルの実力を持った選手です.

 

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彼は,2003年を最後に舞台から遠ざかっていたのですが,2016年に電撃的にオリンピアに復帰しました (個人的にこの年のオリンピアの前に行われるプレスカンファレンスで肉体を披露したのが非常に印象に残っています.).成績自体は振るいませんでしたが,そのときの彼の変貌具合がマッスルメモリーを体現していると思います.

動画の作成元は,大人気youtubeチャンネルであるNick’s Strength and Powerになります.

この動画で解説されていますが,2016年のKevin Levroneは,オリンピアのSpecoal Invitationsを受け取ってからトレーニングを再開したという話ですから,数ヶ月でコンテストに立つレベルまで持ってきたということになります.

最初に挙げたインスタグラムの投稿が彼がほぼ全盛期だったころの写真になりますので,それと比較すれば腕や足の細さで確かに劣りますが,数ヶ月でこの動画の中の様な変貌をするとはかなり興味深いですね.

Kevin Levroneのトレーニングの特徴としては,「とにかく重い重量をこなす」というものでしたので,その様なトレーニングがマッスルメモリーに寄与していたという可能性は大いにあると思います.

終わりに…

マッスルメモリーについては,特に年末年始などの比較的長い間トレーニングをできないときに感じることが多かったですね.

ただ,筋肉は覚えているかもしれませんが,私の感覚では関節は以前まで扱えていた重量を覚えていない様な感じがします.そのため,久しぶりにトレーニングをする方は,確かにマッスルメモリーは存在するのですが,しっかりと関節と話合いながら,怪我をしない重量でまずはトレーニングを進めていくことが重要となります.

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