前回の記事で,2019年のオリンピアのために,Hadi Choopanがビザを取得しアメリカに入国したということをお伝えしました.
アメリカに入国し,1週間後に迫ったオリンピアの準備のためのトレーニングを行っています.今回は,Hadi Choopanが行っている背中のFST-7トレーニングについて公開します.
Hadi ChoopanのFST 7背中トレーニングの動画
Hadi ChoopanのFST 7背中トレーニングの動画は以下になります.
動画の作成元は,Hadi Choopanのサプリメントスポンサーであり,彼のコーチであるハニーランボッドが監修するEvogen Nutiritionになります.
今回の動画では,Hadiは終始,長袖を着ており自分の身体がどうなっているか公開していません.恐らく,オリンピアの前ということもあり,”Pro Maker”こと,ハニーランボッドの作戦のうちの一つでしょう.ハニーランボッドはここ数年で,一番,オリンピアのタイトルを手にしているトレーナーであるため,オリンピアでの戦い方を熟知していますし,その可能性は高いと思います.
Hadi ChoopanのFST 7背中トレーニングの内容
実施種目は以下の通りです.
- ケーブルプルオーバー
- リバースグリッププルダウン
- ベントオーバーロウ (リバースグリップ)
- ベントオーバーラテラルレイズ
- ハイパーエクステンション
各種目,FST-7で実施するため,7セットで各セットは10-15回,インターバルは30-40秒です.
動画は見た感じだと,そこまで高重量では実施していませんね.あくまで,コンテスト本番を見据えて,コンディションを作り上げるというのが目的なのでしょう.
ケーブルプルオーバー
1種目目は,ケーブルプルオーバーです.1種目目でこの種目を持ってくる意図は,しっかりと背中に血液を送って,パンプをさせることで後半の種目で効きを良くするという意図があるとのだと考えられます.
一般的なプルオーバーと比較して,ボトムポジションが浅いですね.ケーブルを引ききっていないため,あくまでも収縮ではなくストレッチを意識していると考えらます.また,動きからして,プルオーバーとしては重い重量を扱っていると考えられます.恐らく,このフォームの場合,あくまでも上背をターゲットにしてパンプをさせるのだと考えられます.
リバースグリッププルダウン
2種目目はリバースグリップのプルダウンです.この種目では,背中の下部がターゲットです.グリップは肩幅です.
ポイントは,Haniも言っている様に,肘を引ききって収縮を感じることと,引ききった時に胸を張るということでしょう.胸を張ることによって,骨盤が立つため,引ききった時に収縮を意識しやすいというメリットがあります.
プルダウンについて,一般的なプルダウンをメニューとして取り入れている人は多いのですが,この種目をメニューとして取り入れている人は少ない印象です.私の個人的な感想ですが,リバースグリップにすることでネガティブ動作のときに,重さを背中で受けやすいため,非常に背中に刺激が入りやすい種目です.そのため,ラットプルダウンのレパートリーとしてかなりオススメです.
ベントオーバーロウ (リバースグリップ)
3種目目は,リバースグリップのベントオーバーロウ,所謂,バーベルロウです.背中の下部がターゲットです.この種目もグリップは肩幅です.
バーベルロウは,基本的に背中全体を刺激する種目と考えていましたが,どうやらリバースグリップにすることで下背に効かせやすくなるみたいですね.これは,恐らく,リバースの方が肘を深くまで引き切ることができるためでしょう.
ポイントは,トップでキープすることです.下背をターゲットと言っていますが,こうすることで背中全体に刺激をうまく与えることができます.
余談ですが,約120 kgのバーベルロウを素手でやるとは正直凄すぎます.私みたいに,握力が足りない人は,120 kgを素手でバーベルロウなんてしたら,正直,「背中に効かす」ということは意識できないと思います.また,びっくりするほど,フォームも正確ですね.
ベントオーバーラテラルレイズ
4種目目は,ベントオーバーラテラルレイズ,所謂,パラレルグリップのリアレイズです.ターゲットは,三角筋の後部です.
三角筋の後部は正直,背中の日にやるか,肩の日にやるか意見が分かれるところですが,Hadiは今回は背中の日にやっていますね.私なんかも最近は,背中の日にも三角筋の後部をトレーニングするようにしています (結構,リアデルタは弱点なんですよね…).
昨日は肩トレしてきました!
肩トレの後に,試しに背中トレを少し混ぜたのですが,肩周りに血流が集中しているため,特に上背について,少しのセットでも結構効くなということを実感しました!
— ごり山 (@administrator52) 2019年8月30日
簡単そうにやっていますが,これは奥が深いです.まず,ポイントは,肘であげるのではなく,あくまでも「三角筋の後部の運動で肘が動く」という感じで実施します.イメージとしては,リアデルトフライをやるときの感じです.そのため,肘は「大きく外へ動かす」というイメージが必要です.また,重量を扱うために,ストリクトに実施するのではなく,ダンベルを上げる際に上体を上げるということも行います (バーネルロウと同じですね).
ただ,教科書的には,三角筋を鍛える場合,「肩甲骨を寄せない」と教わるのですが,Hadiはそこまで気にしていません.恐らく,背中の日の肩トレということで,多少は背中に入っても仕方ないということと,リアレイズを実施するのに肩甲骨がよってしまうのは自然の動きという認識があるのかもしれません.
ハイパーエクステンション
5種目目はハイパーエクステンションです.下背部,所謂,”クリスマスツリー”がターゲットの種目です.
ポイントは「上げ切らないこと」です.45°バックエクステンション台で行っているのですが,トップポジションは背中と床が平行になるくらいです.こうなると,トップでの収縮は捨てることになりますが,その代わり,ネガティブをかなり意識するため,相当なストレッチ側での負荷がかかると考えられます.
ボトムは脚と背中の角度が90°になるくらいですね.そのため,ボトムでストレッチをかけるという意識ではなく,あくまでも動きの中で追い込むという意図でしょう.
終わりに…
Hadiにしてはそこまで高重量を扱っていませんが,フォームがかなり正確ですね.今回はかなり,お手本になるフォームかと思います!
皆さんもこの様なフォームを目指してトレーニングに励みましょう!