【サプリメント解説】EAAの効果.EAAとBCAAの違いを紹介

トレーニング前,中,後にアミノ酸を摂取することで,アナボリック状態 (=効果的に筋合成が高まる状態)になるため,トレーニーにとってアミノ酸は必須サプリメントです.

トレーニーが摂取するアミノ酸というと,一番最初に思いつくのがBCAAですが,近頃では「EAAの方が良い」という話を聞いたことがある人もいるかと思います.

今回は,EAAの効果,そして,EAAとBCAAの違い,さらにEAAの効果的な飲み方まで公開したいと思います!

EAAとは

EAAはEssential Amino Acidと呼ばれ,日本語訳で言うと必須アミノ酸と呼ばれています.

EAAは,スレオニン,トリプトファン,バリン,ヒスチジン,フェニルアラニン メチオニン,リジン,ロイシンの9種類からなり,これらのアミノ酸は体内で作ることができませんEAAの中でも,バリン,ロイシン,イソロイシンをBCAAと呼びます.すなわち,BCAAはEAAの中に含まれております.

サプリメントの栄養素の表記として,「BCAA〜 g」「EAA〜 g」と表記しているものは,間違ってはいないのですが,BCAAを二重カウントしてるため,私のこの表記がやめてもらいたいと思っています.

以下では各種アミノ酸の効果の説明を行います.

スレオニン

スレオニンは卵やスキムミルクに多く含まれ,成長促進 (このため,動物の飼料にも用いられている様です),腸の働きを促進して新陳代謝を促すなどの効果があります.

トリプトファン

トリプトファンは,赤身肉やレバー,乳製品に含まれ,ビタミンB群の機能を補助する役割があり,また,セロトニンの分泌を促すため,摂取することで夜の寝つきが良くなります.これにより,成長ホルモンの分泌を助ける役割もあります.

ヒスチジン

ヒスチジンはマグロの赤身やカツオなどに多く含まれ.脂肪燃焼効果や食欲抑制効果があります.また,トレーニングにはあまり関係ないかもしれませんが,摂取することよって”頭が冴える”ことが期待できます.

フェニルアラニン

フェニルアラニンは,豆類やナッツ類に多く含まれ,脳と神経細胞間の伝達を果たす役割を持つ神経伝達物質として働きます.私も実感したことはないのですが,この様な効果があると言うことはマッスルマインドコネクションに効果があると言うことでしょうか.

メチオニン

メチオニンは卵白やカゼインに多く含まれ,主に,アレルギー症状を引き起こすヒスタミンの血中濃度を緩和する役割があります.メチオニンが不足すると,利尿機能が低下し,身体がむくみやすくなるため,コンテンスト前には欠かせないアミノ酸ですね.

リジン

リジンは,肉,魚,大豆製品に多く含まれ,主に脂肪燃焼効果があります.リジンが不足すると,慢性的な疲労を感じやすく,貧血,視覚障害を引き起こします.

バリン

バリンはヒスチジンと同様に,マグロの赤身やカツオに多く含まれ,筋肉の修復に寄与します.したがって,激しいトレーニングをした後には必須のアミノ酸と言えます.

そのほか,バリンには血液中の窒素を調整する役割があります.タンパク質を摂取すると体内でそれが利用され窒素となり,腎臓で濾過されるのですが,腎臓の機能不全により濾過れなかった窒素が血液中に溶け込みます.すなわち,窒素の量が多いほど腎臓が機能不全になっていると言うことですが,バリンには,その血液中での窒素量を調整する役割もあります (お年を召してくると有り難さがわかるアミノ酸ですね).

ロイシン

ロイシンは,マグロと鶏胸肉に多く含まれ,タンパク質の合成を促し,分解を防ぐ効果があります.

そのため,ロイシン単独で摂取したいと言うのが本音なのですが,ロイシンは苦味があるため単独摂取を継続することが難しいサプリメントでもあります.したがって,バリンとイソロイシンを同時に摂取し,かつ甘味料も入ったBCAAで摂取することが一般的です (かなりの上級者向けに,ロイシン単独でも販売されています).

イソロイシン

イソロイシンはカツオやアジに多く含まれ,疲労回復効果があります.

また,イソロイシン には,血管拡張作用があります.血管拡張作用 (=パンプ)はトレーニングに置いて重要な役割を果たしており,特に窒素系統の化合物はパンプに大きな影響を与えます.

EAAとBCAAの違いとは

以上より,EAAとは,スレオニン,トリプトファン,バリン,ヒスチジン,フェニルアラニン メチオニン,リジン,ロイシンの9種類を指し,BCAAとはEAAの中のバリン,ロイシン,イソロイシンの3種類を指します.

前述した各種アミノ酸の効果をまとめますと,EAAは回復,脂肪燃焼,筋合成促進などアミノ酸の効果を網羅的に担っているのに対して,BCAAは,主に筋合成に特化しています.そのため,どうしてもEAAの方がどうしても値段が高くなります (体感的には,EAAはBCAAの1.2倍くらいする気がします (メーカーに依りますが…).)

EAAの効果的な飲み方 (アイリスカイル,山岸秀匡選手の例)

EAAは,BCAAを含んだトータル的なアミノ酸であるため,基本的にはBCAAと同じ飲み方で構いません

ただ,アミノ酸の効果が異なるため,使い分けるという方も多いです.例えば,ミスオリンピアを10連覇した伝説的な女子選手である,アイリスカイル選手は以下の様に摂取しています.

  • トレーニング前:プレワークアウトサプリ,BCAA 7 g
  • トレーニング中:EAA 43 g
  • トレーニング後:ホエイアイソレート 50 g

トレーニング中に摂取しているEAAは,市場で最高レベルの高コスパEAAであるNutra BioのイントラブラストとNutra BioのEAAです (両者の違いですが,イントラブラストには炭水化物と運動能力を挙げる栄養素が含まれています.).

また,山岸秀匡選手が奨励している飲み方は以下の通りです.

  • トレーニング前:BCAA 10 g,EAA 10 g
  • トレーニング中:BCAA 10 g,EAA 10 g
  • トレーニング後:プロテインアイソレート

両者を比較すると,EAAの値段が高いことを考えると山岸選手の推奨している飲み方の方が現実的ですね.

これとは別に,良く聞く話が,EAAをシェイカーで多めに作っておいて,一日中飲むという方法です.EAAは,食事からとることが可能であり,バランスの良い食事を小分けにして一日複数回食べることができれば,アナボリック状態を保つことが可能であり,理論上はEAAはほとんど必要ありません.ただ,実際には,仕事をしていたり,家事をしていたり,学校に行っている場合,一日に何度も食事をすることは不可能です.そのために,EAAをこまめに飲むことによってアナボリック状態を保つことができるというわけですね.

終わりに…

EAAはどうしても値段がするサプリメントであるため,こだわりがなければ用意する必要のないサプリメントであると言えます.ただ,食間がかなり空いてしまう人などは,EAAを用意してカタボリック ( = 筋肉の分解)を抑制するのも一つの手段だと思います.

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