カフェインは,集中力向上,脂肪燃焼効果,パフォーマンスの向上効果があるためトレーニング前に摂取することが推奨される成分の一つです.
一方,カフェインは,いわゆるオールインワンの「プレワークアウトサプリメント」としてパッケージ化されて販売されていることが多く,プレワークアウトサプリメントは禁止薬物は含有されていることが多いため,摂取するには細心の注意を払う必要があります.
この問題に対して,カフェインを直接摂取すること,つまり,カフェインイン飲料の代表であるコーヒーを飲むことはトレーニングに対して効果があるのでしょうか.
この疑問に対して,IFBBプロのレジェンドの一人であるJay Cutler(ジェイカトラー)が回答している動画を見つけたため皆さんとシェアしたいと思います.
ジェイカトラーとは
ジェイカトラーは1973年アメリカ生まれのプロボディビルダーです.身長は175 cm,体重は124-140 kgでした.
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ジェイカトラーは,1996年のNPCナショナルズ・ヘビー級で優勝することでプロカードを取得しました.当時は,現在と比較してIFBBプロになるのが非常に難しい時代であり,通常,多くの選手が10年以上かけてIFBBプロを目指すところを,彼は23歳で成し遂げました.
プロデビュー戦となった1998 IFBB Night of Championsは11位と成績は奮いませんでした.翌年,なんとかしてオリンピアに出場した彼は14位に終わりますが,そこから,2013年まで2002年と2012年を除いて出場し続け,4度の制覇,6度の2位 (そのうち,4回はロニーコールマンに敗れています)という素晴らしい成績を残しました.
彼を語る上で,避けて通れないのがオリンピア 2009です.彼は,前年にDextor Jacksonに敗れており,一度オリンピアで敗れた選手がもう一度オリンピアに返り咲いた例はなかったことから,「ジェイカトラーの時代は終わった」と当時は考えられていましたが,驚愕の仕上がりでオリンピア 2009を制します.
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これがジェイカトラーを語る上で,彼が最高だった年の一つであり,この大腿四頭筋のポージングはあまりにも有名です.
ジェイカトラーが筋トレ前のコーヒ摂取の有用性について述べた動画
ジェイカトラーが筋トレ前のコーヒ摂取の有用性について述べた動画は以下です.
以上の動画は,JayCutlerTVのものです.
現在では,各社それぞれプレワークアウトサプリメントを販売していますが,ジェイカトラーが現役だった中でも1990年代後半から2000年代初頭にはプレワークアウトサプリメントが存在しなかったことを述べています.
ジェイカトラーはトレーニング前にコーヒーを一杯飲んでいた
今回の動画の中で,ジェイカトラーは当時,そもそもプレワーアウトサプリメントが存在しなかったため,コーヒーを摂取していたことを述べています.
I still think a cup of coffee was ideal. I used to stop at McDonald’s and get a small black coffee. I would put one Splenda in it and I would train on that before pre-workouts existed.
今でもコーヒー1杯は理想的だったと思います.よくマクドナルドに寄って,小さいブラックコーヒーを買っていました.砂糖を入れて,プレワークアウトが存在する前はそれでトレーニングしていました.
ジェイカトラーがコーヒーのどのサイズを飲んでいたのか,当時のマクドナルドのサイズ展開,サイズの容量は不明ですが,アメリカということを考えると500 ml前後ではないかと考えられます.一般的なコーヒーのカフェイン含有量が100 mlで40-60 mg程度であるため,200 mgから300 mgを摂取していたと考えられます.
通常の刺激性のプレワークアウトサプリメントに含まれるカフェイン含有量は250 mg前後であることが多いため,それを考えると,現在のプレワークアウトと同量のカフェインを摂取していたと考えられます.
ジェイカトラーはコーヒーとファットバーナーを混ぜていた
当時,プレワークアウトサプリメントは存在していませんでしたが,ファットバーナーは存在しており,ジェイカトラーはファットバーナーとコーヒーを組み合わせて摂取していた様です.
I actually took some sort of what we call a fat burner, but a thermogenic before I trained to kind of amp myself up besides a cup of coffee right?”
実はトレーニングの前に、コーヒー1杯の他に、ある種の脂肪燃焼剤と呼ばれるサーモジェニックを飲んで、自分を奮い立たせていたんだ
現在では,ファットバーナーは様々な成分が含まれていますが,最も基本的な成分はCLA,カルニチン,カプサイシン等であり,製品によってはカフェインも含まれています.ジェイカトラーがどのようなファットバーナーを摂取していたのかは不明ですが,ファットバーナーに含まれているカフェインの量は限定的であるため,コーヒーに混ぜ摂取することで,その効果を最大限に引き出そうとしていたことが考えられます.
終わりに…
一方で,現在では,ジェイカトラー自身としては非刺激性のプレワークアウトサプリメント,つまり,カフェインレスのものを推奨している様です.当時は,そもそもプレワークアウトサプリメントという概念がほとんど浸透していなかったため,効果が高いとされているカフェインを摂取していたと考えられますが,プレワークアウトサプリメントという概念が浸透した現在では,それに代わる非刺激性のサプリメントで良いということでしょう.