トレーニング前に摂取することで,トレーニング中の集中力を最大限に引き出すのがプレワークアウトサプリメントです.
プレワークアウトサプリメントには,かなりの割合でカフェインが含有されている製品が多いのですが,それと同時にシトルリンという成分も含まれていることが多いです.
今回は,そのシトルリンの効果,及び効果的な摂取方法,さらに似た様なサプリメントであるシトルリンマレートとの違いについて公開します!
シトルリンとは
シトルリンは,体にとって有毒であるアンモニアを無害化する際に,体の中で尿素回路 ( = オルニチン回路)と呼ばれる一連の化学反応が生じ,そのなかで合成されます.
シトルリンの主な効果は血流を増大させる作用があります.血流の増大は,トレーニングでは「パンプ」という現象で呼ばれ,非常に重要です (海外のプロの中には,「どうやってパンプさせるか」としきりに言っている人もいるくらいですし…).パンプするときのメリットは以下が挙げられます.
- 回復が早くなる
- 各ワークアウトでの「効き」が増大する
まず,血流が増大するため,一般的に回復効果が増大すると言われています.ただ,後述する様に,パンプしているときはワークアウトの効果も増大するため,筋肉痛は結局多く残ることが多いです.
次に,ワークアウトの効果が増大します.パンプとは,トレーニングをしているときに血流が増大することで起きる現象であるため,上手く効かせるほどパンプします.ここで,シトルリンを使った場合,十分に効かせられなくてもパンプさせることが可能です.すなわち,特に自分が苦手と思う部位を実施する前にシトルリンを飲むと効果的であることが言えます.
サプリメントからではなく,できるだけ食べ物からシトルリンを摂取したいという方は,シトルリンは,スイカなどのウリ科の植物に多く含まれているため,それらを食べるのが良いと思います.ただ,個人的には,ウリ科の植物はクセのあるものが多く意外と好き嫌いが分かれる食べ物であるため,サプリメントから摂取する方が無難かなと思います.また,スイカ100 gでシトルリンは18 mgしか含まれておりませんので,後述の推奨摂取量を摂ろうとしたら大変な量のスイカを食べねばなりません.余談ですが,プレワークアウト用サプリメントでスイカ味が多いのは,こういった理由があるからなのかもしれませんね.
シトルリンの摂取量/タイミング
シトルリンの摂取タイミングですが,主にトレーニング前に摂取するのが良いと思われます.
シトルリンの効果は,血管を拡張させることで血流を増大させることであり,これによってトレーニング中のパンプ感の増大に寄与します.すなわち,トレーニング前に摂取することで,トレーニング中のパフォーマンス向上を見込むことができます.
摂取推奨量ですが,共和発酵バイオ株式会社によるシトルリン協会が定める推奨量ですが約800 mg/日程度の様です.ただ,基本的にサプリメントから摂取すれば付属のスプーンで掬って摂取すればなんら問題ありません.
一点注意ですが,薬との併用はしない方が良いと思います.シトルリンは,前述した様に血管拡張作用があるため,摂取した薬の効果を必要以上に増幅させる可能性があります.そのため,風邪気味で薬を摂取している際などにはシトルリンは摂取しない方が無難です.
シトルリンとシトルリンマレートとの違いは
シトルリンマレートとは,シトルリンにマレイン酸が結合した物質のことを指します.一般的に,シトルリンのサプリメントというと単純なシトルリンかこのマレイン酸が結合したシトルリンマレートのいずれかを指します.
両者の効果の違いですが,シトルリンマレートはマレイン酸が付加されていることから,エネルギー通貨であるATPの合成に寄与し,よりパフォーマンスアップに寄与すると考えられます.そのため,どちらがおすすめのサプリメントかと言われれば,シトルリンマレートとなります.
ただ,シトルリンマレートの欠点として,かなり酸っぱいという点が挙げられます.この酸っぱさですが,酸っぱいものが個人的に得意と思っている私でもかなり酸っぱいと感じたため,酸っぱいものが苦手な人にはもちろんのこと,酸っぱいのがそれほど苦手でないという人でも摂取するのが結構厳しいと感じる人がいると思われます.
そのため,効果という観点ではシトルリンマレートがおすすめなのですが,万人受けするシトルリンサプリメントという観点では,通常のシトルリンの方がおすすめできます.
終わりに…
シトルリンはトレーニング中のパフォーマンスを向上させるサプリメントではありますが,プロテインやBCAAといったサプリメントと比較すると優先度が低いサプリメントになります.
皆さんもトレーニングのレベルが上がってきて,金銭的な余裕があれば試してみましょう!