山岸秀匡選手のコーチであるミロスの脚トレのジャイアントセットにおいて,必ずと言って良いほど行うのがハックスクワットです.
そのハックスクワットのレパートリーも非常に豊富で,ドロップセットでハイボリュームで行ったかと思えば,締めの種目としてハックスクワットのスロートレーニングを取り入れたりします.
今回は,特に,スーパースロートレーニングのハックスクワットの解説を行いたいと思います!
ミロス解説のスーパースローハックスクワットの解説動画
今回,ミロスが解説するスーパースローハックスクワットの解説動画は以下になります.
トレーニングを行なっているのは,ミロスのトレーニングではおなじみのロサンゼルスにあるFitnation Gymですね.
今回紹介するハックスクワットですが,ミロスが扱っているのはどこのマシンなんでしょうか.日本ではあまり見たことないタイプでかつ年季が入っているという点から考えると,Flexあたりが無難なのですがどうでしょうか.
スーパースローハックスクワットのポイント
今回のスーパースロースクワットのポイントは以下の5点になります.
- 6秒かけて下げて,6秒かけて上げる
- ボトムポジションは上体と大腿の角度が90度
- トッポポジションで膝を伸ばしきらない
- かかとは少し浮かしても良い
- 足幅は肩幅より狭く,つま先はまっすぐ
6秒かけて下げて,6秒かけて上げる
6秒かけて下げて,6秒かけて上げるということが,今回のトレーニングで一番重要なポイントになります.
通常のトレーニングですと,「ネガティブ意識」,すなわち重力方向に重りが動く際にゆっくりとコントロールして下げるという方法が一般的であり効果があるとされております.逆に,重力と反対方向に動く際には「ポジティブ意識」,すなわち素早く上げることが推奨されています.
一方,今回のトレーニングでは,ネガティブは同様に意識するのですが,ポジティブ動作の際にもゆっくりと動かします.実際にやってみるとわかりますが,重さをコントロールしながら上げる必要が出てくるため,腹圧をかなり入れて脚に思いっきり力をいれないとゆっくりできません.これにより,大腿四頭筋をかなり疲弊させることができます.
ボトムポジションは上体と大腿の各度が90度
ボトムポジションは下げすぎず,上体と大腿の角度が90度になる部分に設定します.
スクワットもそうですが,下げすぎると負荷が抜けてしまう傾向があります.そのために,一番負荷のかかる大腿と上体の角度が90度になる部分をボトムに設定しているのだと考えられます.ただ,一番負荷がかかるポジションである,ためここで切り返して身体を上げようとすると,大腿四頭筋にものすごい負荷がのります.
トップポジションで膝を伸ばしきらない
トッポポジションでは膝を伸ばし切りません.これは,スクワットやレッグプレスでも同様のテクニックとして使えます.
ただ,以下の写真を見る限り,トップポジションはかなり浅い部分に設定しています.
膝は伸びるほど負荷が抜けていくため,この角度は相当きついです.しかも,このポジションからレストポーズなしですぐに切り返すため,負荷は相当なことになっているはずです.
かかとは少し浮いても良い
前出した写真から分かるかと思いますが,かかとが若干浮いています.これは,最初の足を置く位置が,かなりマシン側であることから生じ,より大腿四頭筋に刺激を入れたいという意図の表れであります.
この方法は,日本でも取り入れている人もおり,例えばジュラシック木澤選手なんかは,ハックスクワットを行う際にかかとをつけて,ボトムポジションでかかとが少し浮く様な姿勢でトレーニングを行っています.
足幅は肩幅より狭く,つま先はまっすぐ
これも前出の写真からわかりますが,足の幅は肩幅より狭くしており,つま先はまっすぐです.
ハックスクワットも通常のスクワットと同様に足の向き,幅でターゲット部位を変更することが可能ですが,非常にオーソドックスなタイプであることから,今回はあくまでも大腿四頭筋全てをターゲットとしているのだと思います.
スーパースローハックスクワットのメリット
本トレーニングのメリットは,短時間で脚を疲労させることができる点にあります.動画中でのミロスを見れば分かる通り,ミロス程のレベルでもスーパースローハックスクワットを3回行えば,大腿四頭筋が痙攣を起こしています.
ミロスのジャイアントセットは基本的に各種目10回が基本回数となりますから,これを10回行えば大腿四頭筋がどうなるか軽く想像できると思います.それを,複数セットやれば,スーパースローハックスクワットだけで立てなくなります.
すなわち,スーパースローハックスクワットはジャイアントセットだけでなく,時短トレをしたい人にも非常におすすめと言えるトレーニングです.
終わりに…
私もこれを行ったのですが,正直に申しますと5セット (120 kg × 5回 ×3セット,80 kg × 8回 ×1セット,40 kg × 10回 ×1セット)やって大腿四頭筋はオールアウトしました….それくらいきついトレーニングですので,行うときはかなりの覚悟を持った方が良いと思います.