ミスターオリンピアを7連覇したPhil Heath (フィルヒース)は.8連覇を狙ったミスターオリンピア 2018でShawn Rhodenに敗れました.その後,ミスターオリンピア 2020にも出場しましたが,彼のベストコンディションにはほど遠く,3位に終わりました.
その後,彼はコンテストに出場していませんが,多くの人にとっての関心ごとは「彼が8勝目に挑戦するのか」という点です.
この問題に対して,彼のコーチであるHany Rambod (ハニーランボット)がコメントしている動画を見つけたため,皆さんとシェアしたいと思います.
フィルヒースとは
Phil “The Gift” Heath (フィルヒース)は,1979年アメリカ生まれのプロボディビルダーです.身長は175 cm,体重は108-125 kg程度と言われています.
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彼は,2005 NPC USA Championshipsで優勝することでIFBB プロカードを取得し,プロカードを取得した翌年行われた2006 Colorado Pro,2006 New YorK Proでいきなり 優勝を果たします.
ミスターオリンピアには2008年から出場し,ミスターオリンピア 2008では初出場で3位になり,オリンピア 2009では5位 (確か,このとき彼は胃腸に何らかの問題がありながらコンテストに出場したと記憶しています.) ,オリンピア 2010では2位,そして,オリンピア 2011から2017まで7連覇します.
The Giftと形容される様に,彼の特徴と言えば,生まれ持った筋肉の大きさ及びその質感ではないでしょうか.特に,背中,腕の大きさは他の選手を凌駕しています (余談ですが,今では背中は彼のストロングポイントですが,昔は弱点部位だった様で,Jay Cutler (ジェイカトラー)に勝つために週二回トレーニングしていた様です.).特に背中に関して,彼の背中の立体感は,他選手と比べると別次元であり2017年のオリンピアでShawn Rhoden (ショーンローデン)に敗れはしましたが,その背中の凄まじさは全選手一と言っても過言ではありません.
7連覇中,確かにフィルヒースは絶対的な強さを誇っていたのですが (そのため,彼はこのまま10連覇くらいするのではとも言われていました),彼は優勝するたびに議論の的となっていました.それは,彼が,連覇を重ねるごとにサイズは大きくなっていたのですが,その分,バブルガットと呼ばれる様に,ミッドセクションのコンディションがどんどん崩れていったためです.
このため,彼のミッドセクションはよく議論の的となっており,彼の復帰可能性及び優勝可能性はこのバブルガットが握っていると言っても過言ではありません.
ハニーランボットがフィルヒースのコンテストへの復帰可能性について語った動画
ハニーランボットがフィルヒースの復帰可能性について語った動画は以下です.
動画の作成元はMuscle and Fitnessです.
今回の動画の長さは,1:40:09です.
今回の動画では,フィルヒースに関することの他に,Andrew Jacked,テキサスプロ 2022について述べられています.
ハニーランボットが語るフィルヒースの復帰可能性
ハニーランボットは,フィルヒースがコンテストに復帰する可能性は0ではないとしつつ,かなり難しいということを認めています.
Could he come back? Absolutely. Could he win, I think the hardest thing is that he would never, I don’t think he would end up looking at it like… can Phil beat this guy or this guy, it’s can he beat his best. Because when you do this and you come back like with Jay Cutler in 09, you have to come back and be your best ever to be able to win again after losing. There’s only one bodybuilder who has ever done it so far and that’s Jay in 09
戻ってくる可能性は?もちろんありますよ.一番難しいのは,彼は決して「フィルはあの人に勝てるか,この人に勝てるか」というような見方ではなく,自分のベストに勝てるかという見方をしてしまうことだと思うのです.なぜなら,2009年のジェイ・カトラーのように一度負けた後に再び勝つには、過去最高の状態で戻ってこなければならないからです.今までそれを達成したボディビルダーは一人しかおらず,それは2009年のジェイカトラーです.
ミスターオリンピアは,長い歴史がありますが,オープンクラスボディビルディングに限定すると,1度敗れた選手がもう一度,優勝したケースは2009年のジェイカトラーしかいません.
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当時のジェイカトラーについて,ジェイカトラーは年々状態が悪化しているという意見が多数を占めており,オリンピア 2007では疑惑の結果でVictor Martinezに勝利したものの,オリンピア 2008ではDextor Jackson (デキスタージャクソン)に敗れました.そこから,1年でびっくりするほどの改善をし,今でも彼の2009年の仕上がりは語り草になっています.
フィルヒースを考えた場合,フィルヒースの初期はまさに”The Gifted”と形容するに相応しい仕上がりでした.
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このため,彼が復帰するにあたっては,それを超える仕上がりを持ってくる必要があります.その一方で,彼の骨格に対してサイズアップしすぎているという意見があり,その際たる例がミッドセクションでしょう.彼のミッドセクションを改善しない限りは彼が現役復帰する可能性は少ないということでしょう.
I think Phil obviously is a phenomenal athlete, but do I think he can be as good as he ever was? That’s really difficult to do. I mean I never say anything is impossible, but I think it’s very very difficult. I’m just speaking being honest here because you know… look at how many years he went on that run.
フィルは明らかに驚異的なアスリートだと思いますが,彼がかつてと同じくらいになれると思うかい?それは本当に難しいことだ.私は不可能なことはないと言っているがとても難しいことだと思う.私は,ただ正直に話しているだけなんだですが….彼が何年走り続けたか見てくださいよ.
以上の問題については,ハニーランボットも認めているようで,だからこそ,不可能ではないにしても可能性は小さいと指摘しているのでしょう.
終わりに…
フィルヒースが当時の身体を持って来れば,ミスターオリンピアで優勝する可能性はかなり高いと思いますが,一度コンディションを外した身体を元以上にするのは難しいということなのでしょう.