特定のルール下において,どれだけの高重量のEZバーカールを実施できるかを競うストリクトカールですが,世界記録が公式に塗り替えられた様です.
今回は,ストリクトカールの世界記録更新の情報を皆さんとシェアしたいと思います.
ストリクトカールとは
ストリクトカールのルールをおさらいすると,以下の様なルールが存在します.
- Your upper back and butt must stay in contact with the wall on the way up and on the way down. Taking a wider stance slightly decreases the chance of your butt moving off.
- The heels have to be 12 inches from the wall or less.
- Your head, upper arms, and wrists can move as much as you want.
- 背中上部と尻は,EZバーを上げ下げしている間,壁に接触している必要がある.広めのスタンスをとると,尻が離れる可能性が減少する.
- かかとと壁の距離は12インチ以内である必要がある.
- 頭,上腕,手首は自由に動かせる.
細かいところは置いておくとして,要は,”ストリクトカール”という名称ですから,ルールは結構厳しいということです.
ストリクトカール世界記録更新の情報
ストリクトカール世界記録更新は以下のインスタグラムの投稿によります.
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今回,記録を更新したのはNizami Tagievという選手であり,彼は以前にも非公式ではありますが115 kgのストリクトカールを成功させています.
ここで,疑問になるのが,Leroy Walkerの記録ですが,彼も非公式ながら114 kgという自己記録を持っています.ただし,あくまでも非公式という扱いで世界記録としては認められていない様です.
これまでの記録がDenis Cyplenkovの達成した113 kgであるため,そこから1 kgの更新になります.
現状のストリクトカールのルールには限界があるのでは
今回,Nizami Tagievが114 kgのストリクトカールを成功させましたが,彼の実施している様子を見ると現状のストリクトカールのルールには限界があるのではないかと感じました.
この理由ですが,前世界記録保持者であるDenis Cyplenkovと比較して,明らかに挙げ方が異なるためです.詳しい比較は以下の動画が参考になります.
動画の作製元はPRO SPORTというボディビルディングyoutubeチャンネルです.
サムネイルで,両者の間で使用していたEZバーの形状が異なることが分かります.前世界記録保持者であるDenis Cyplenkovは通常のEZバーですが,今回記録を更新したNizami Tagievは中央部が極端に湾曲したタイプのバーです.しかも,Nizami Tagievはその湾曲した部分を握って実施していることから脇が極端に閉まった状態を実現し,これにより身体の凄い近くで挙上しています (この握り方だと,上腕二頭筋の力で挙げているというよりは肘の動きで挙げているという印象が強く,果たして本当に重量を扱えているのか疑問です.).
一方,前世界記録保持者であるDenis Cyplenkovは通常のEZバーカールでを行っていることから,EZバーは身体から離れた部分で挙上しています (こちらが,一般的なEZバーカールであり,この挙げ方に疑問を呈する人はいないでしょう.).
両者を比較した場合,明らかにDenis CyplenkovのEZバーカールの方が実施が困難であり (身体の遠くで挙げているため重さが上腕二頭筋にかかり,上腕二頭筋の力だけで上げる必要があるためです.),両者の記録を同列的に扱うべきかどうか疑問に感じてしまいます.ただ,これは,そもそもストリクトカールという競技でEZバーの形状や,手の位置などの指定をしていないからこそ発生している問題であり,このことから,現状のルールのままだとストリクトカールが平等に行われているのかかなり怪しいと思いました.
終わりに…
今回,Nizami Tagievが達成した記録は相当に怪しいと感じた一方で,改めてDenis CyplenkovのEZバーカールはとんでもないと思いました.通常のEZバーカールでチーティングなしで113 kgをあれだけストリクトに扱えるというのは少し考えられないですよね.