オリンピア 2022のクラシックフィジークにおいて4連覇を達成したChris Bumstead (クリスバムステッド)は，オリンピア 2022前から上腕二頭筋に異常があることが指摘されていました．
この問題について，オリンピア前までは言及することはありませんでしたが，オリンピア終了後に上腕二頭筋を切っていることについて正式に言及した様です．
今回はこの情報を皆さんとシェアしたいと思います．
クリスバムステッドとは
クリスバムステッドは，1995年，カナダ生まれのクラシックフィジーカーです．身長は185.5cm，体重は93.0 – 102.1kgです (近年は，仕上がり体重がもう少し重い気がします．)．
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彼は，自身の姉の夫であるIain Valliereの影響を受けてボディビルディングを始め，2016 IFBB North American Bodybuilding Championshipsにて若干21歳でプロカードを取得します (ちなみに，当時，デビューしてからたった二年だったようです．)．
プロカードを取得した翌年の2017年にはPittsburgh ProととToronto Proで優勝し，オリンピアの出場権を獲得し2位となります．それから，Breon Ansleyと死闘を繰り広げ，オリンピア 2017-2019では3年連続で1点差で勝負がつき，クリスバムステッドはオリンピア 2019で初優勝を果たします．
そこから，オリンピア 2020，2021，2022で4連覇を果たしています．
クリスバムステッドが上腕二頭筋を切っていたという情報
クリスバムステッドが上腕二頭筋を切っていたという情報は以下です．
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この投稿自体は，クリスバムステッドが投稿したものですが，CTで撮影した画像がかなり痛々しいですね．
クリスバムステッドは，上腕二頭筋を切ってしまったときのことを以下のように振り返ります．
I tore my bicep. I don’t know how it happened. Everyone’s always like, ‘did you feel it? Did it pop? What did you do?’ I don’t know how it happened. Sometimes, that’s happened to me before with my other bicep I think when I was younger. To go back to the beginning, on Wednesday I first noticed a little bit of pain. That was the day of my weigh-ins, three days out the Olympia. I was kind of pulling water, pulling weight trying to make weight that night at 8 pm. So, I’m super depleted and lean, obviously, your body is more susceptible to injury and I felt some pain. The next day, I felt a little bit more pain when I was posing. I tried not to push it. Friday, it hurt a good amount so I tried not to pose too much. Normally, I would like to pose especially when I’m carb loading but it just hurt so I was kind of holding back.
上腕二頭筋を切ってしまったんです．どうしてこんなことになったのか、自分でもよくわからないんです．みんなはいつも，「感じた？弾けたの？どうしたんだ？」と言います．実は，若い頃、もう片方の上腕二頭筋で起こったことがあるんです．話を元に戻すと，水曜日に初めて少し痛みに気づいたんだ．オリンピア3日前の計量の日でした．その日の夜8時に体重を測定するために，水を飲んで体重を測ったのです．だから，体力も消耗しているし，体が傷みやすくなっていて、痛みを感じたのです．翌日，ポーズをとるときにもう少し痛みを感じたのです．無理はしないようにしました．金曜日は，それなりに痛かったので，あまりポーズをとらないようにしました．普段は，特にカーボローディングをしている時はポーズを取りたいんだけど痛くて我慢していたんです．
クリスバムステッドは，元々，上腕二頭筋が素晴らしく良い選手ではないのですが，その原因が彼が以前，上腕二頭筋を切ってしまったことがある様ですね．
上腕二頭筋の断裂について，比較的多数の方が経験している中で，その原因について上腕二頭筋の筋トレ中に限らず，ふとした拍子に断裂してしまうことが多いとされています．実際に，今回，クリスバムステッドが上腕二頭筋を切ってしまったことも，彼は意識がなかったことがわかります．
上腕二頭筋を切ってしまった直後は，そこまで大きな痛みを感じていないことがわかりますが，時間が経つにつれて痛みが大きくなっていることが伺えます．
上腕二頭筋の断裂はクリスバムステッドに大きなプレッシャーを与えた
以上の上腕二頭筋の断裂について，コンテストが近づくにつれて問題は顕著になり，それがクリスバムステッドに与えた影響はかなり大きかったことを述べています．
Then that night it was a little bit swollen. I was like, ‘f**k, just try not to think about this right now.’ I went to bed, woke up the next day, and it was a little bit more swollen. Obviously, not that bad swollen as in the picture from the pre-judging. But, it got in my head and it stressed me out and I want to kind of talk about the mental side that I battled through. That was prejudging, get tan, try not to think about it. Then, looking at myself, I could just see it and I could just feel it and it was just kind of in my head. So we went on stage for prejudging and I still felt really good and I still felt confident. My physique was great but I kept just thinking that here is this great physique I’ve built, probably the greatest package I ever brought to the stage but my arm. Everybody is going to be seeing me and go like, ‘why does his arm not look right?’ I just couldn’t get that out of my head. It was something that was pulling me out of the moment.”
そしてその夜，少し腫れてしまったんだ．僕は「くそ，今は考えないようにしよう」と思ったんです．寝て，次の日起きたら，もうちょっと腫れていたんです．明らかに，事前審査時の写真のようなひどい腫れ方ではありません．でも，そのせいでストレスがたまり，精神的に参ってしまったんです．それは，事前審査，日焼けについて考えないようにすることでした．そして，自分自身を見ると，それが目に見え，感じられ，ただ頭の中にあるような状態だったのです．そして，ステージに上がりましたが，私はまだ本当に気分が良く，自信を持っていました．体格は素晴らしかったのですが，ずっと考えていたのは，自分が作り上げたこの素晴らしい体格，おそらくこれまでステージに持ってきた中で最高のパッケージが，自分の腕にあるということです．でも腕が….」．それがどうしても頭から離れないんです．その瞬間から引き離されるようなものだったんです．
オリンピア 2022でのクリスバムステッドの仕上がりは，間違いなく素晴らしく，それは彼自身も自信があった様ですが，その中で，断裂してしまった腕が「全てを台無しにしてしまうのではないか」という脅迫感は凄まじかったことが今回の発言から予想できます．
ただ，それでも彼のステージ上での立ち振る舞いを見る限りではそのような感じを全く感じさせず，そのあたりはさすがに絶対的なチャンピオンであると感じました．
終わりに…
上腕二頭筋ですが，一般的に言われているのが「一度切ってしまうと元に戻るのが難しい」という点です．実際に，クリスバムステッドは過去に一度上腕二頭筋を切ってしまっていることが今回の発言から分かり，実際に，その影響もあってか彼の上腕二頭筋はそこまで良くありません．
これを考えると，2023年以降に上腕二頭筋が回復したとしても，それまで以前の上腕二頭筋の状態まで戻るのかどうかはかなり不透明ではないかと感じました．
