オリンピア 2023のオープンクラスボディビルディング (=ミスターオリンピア)が終了し,Derek Lunsfordが初優勝を果たしました.
ミスターオリンピア 2023の結果を皆さんとシェアしたいと思います.
ミスターオリンピア 2023結果
ミスターオリンピア 2023の結果ですが,以下の通りです.
- 1位:Derek Lunsford
- 2位:Hadi Choopan
- 3位:Samson Dauda
- 4位:Brandon Curry
- 5位:Andrew Jacked
- 6位:Hunter Labrada
- 7位:Michal Krizanek
- 8位:Tony Burton
- 9位:Regan Grimes
- 10位:Charles Griffen
それでは詳細な結果を見ていきましょう.
1位:Derek Lunsford
優勝は,Derek Lunsfordでした.
この投稿をInstagramで見る
ミスターオリンピア 2023のDerek Lunsfordは凄まじい仕上がりでした.
2022年にオープンクラスに転向し,早速,2位と結果を出したDerek Lunsfordはそもそもサイズアップを苦にしないタイプの選手であり,2023年は2022年とは異なり,1年を通してサイズアップに注力することができました.一方,彼のコーチであるHany Rambodは一貫して,サイズアップしすぎることを良しとせず,今回の仕上がりは両者が非常にバランスを取れた感じであるように思いました.
具体的には,彼の強みである背中の凹凸,厚さは非常に素晴らしく,大腿四頭筋を横から見たときのカットの入り方など,非常に素晴らしかったと思います.それでいて,彼はミッドセクションをかなりコントロールしており,オープンクラスの選手でありながらもバキュームを披露できるという稀有な選手です.特にプレジャッジの段階では,Hadi Choopanのコンディションがファイナルほど良くなかったため,両者の差が大きく,結果としてミッドセクションの肥大が勝負を分けたのかなという個人的な見解です.
彼は,今回のタイトルで,212 lbsクラスとオープンクラスの両カテゴリを初めて制した選手となります.
2位:Hadi Choopan
2位は,Hadi Choopanでした.
この投稿をInstagramで見る
Hadi Choopanですが,素晴らしかったですが,ややサイズアップしすぎていることが気になりました.
Hadi Choopanの特徴は,身体全体の筋肉の密度と,そのコンディションであり,前者については身体全体をトータルで比較したとき,トップ3でも間違いなく彼が最も優れていました.ただ,2022年は,意図的にコンディションを少し外してきているとの話ではありましたが,2023年の彼はこれまでよりも特にミッドセクション周りの肥大がやや気になりました.
最終的に,Derek Lunsfordと差はこのミッドセクションでついたような感じもし,特に,両者の差はプレジャッジのときに顕著だったと思います.Hadi Choopanは,そもそもファイナルでかなり大きく改善してくる選手であるため,プレジャッジの段階から今回のファイナルの状態を持ってくることができていれば,もしかすると順位は逆だったかもしれません.
3位:Samson Dauda
3位は,Samson Daudaでした.
この投稿をInstagramで見る
Samson Daudaは,非常に素晴らしかったですが,完成度がやや足りなかったという印象です.
Samson Daudaは,2023年に大きくブレークした選手であり,ミスターオリンピア 2023でも彼が優勝候補と考える人も少なくありませんでした.実際に,ミスターオリンピア 2023の彼のパフォーマンスも非常に優れたものでした.
具体的には,上位2選手が,元々は212 lbsクラスにルーツを持っており,身長がそこまで高くないのに対して,彼は身長が180 cmとボディビルダーにしては身長が高い部類に属します.これにより,長い手足を活かした非常に美しいストラクチャーは上位2選手にはない特徴でした.
一方,彼が課題として挙げていた背中の完成度はもちろんですが,サイズでは負けていない下半身についても,完成度という点ではもう一歩というところであり,このあたりで上位2選手とは差が付いてしまったと考えられます.
4位:Brandon Curry
4位は,Brandon CUrry(ブランドンカリー)でした.
この投稿をInstagramで見る
ブランドンカリーですが,トップ3に入るにはやはり下半身がネックなのかなという印象でした.
ブランドンカリーは,ミスターオリンピア 2023は,直前で欠場の情報も一部出ている中で,なんとか出場することができました(喉に腫瘍ができているとのことだったので,むしろ,来年以降出場できるのかが少し気がかりです).
ブランドンカリーですが,やはり上半身は非常に素晴らしかったです.ブランドンカリーは,T字とも称される上半身の強さと,ウエストの細さが特徴の選手であり,今回もその彼の良さは健在でした.ただ,上半身が素晴らしい分,下半身の弱さが正直致命的となっており,今回の彼は大腿四頭筋のサイズに加えて,コンディションも悪い様に感じました.
彼が再び優勝を狙うためには,下半身の改善が急務となっている一方で,ここ数年,常に下半身のことを言われ続けていることを考えると,これ以上の改善は正直,難しいのかもしれませんね.
5位:Andrew Jacked
5位は,Andrew Jackedでした.
この投稿をInstagramで見る
Andrew Jackedですが,悪くはありませんでしたが,彼のポテンシャルを考えれば良くはなかったと思います.
Andrew Jackedは,プロポーションが抜群の選手です.まだオープンクラスに出場してから間もない選手であることから,サイズは十分ではないのですが,その分,コンディションで勝負する必要がある選手です.一方で,臀部やハムストリングスの状態を見ると明らかな通り,コンディションが抜群に良いという訳ではありませんでした.また,背中の凹凸感や大腿四頭筋のカットなど,やはり,他選手と比較してまだまだ課題があるように感じました.
一方で,以上のような課題がありながらも,オリンピアでトップ5に入ってしまうことを考えると,彼のポテンシャルは凄まじいものがあり,これからの活躍が非常に楽しみです.
終わりに…
今回の上位2選手ですが,前述したように元々は212 lbsクラスの選手であり,それを考えると,年々,212 lbsクラスとオープンクラスの差が縮まっているように感じます.
一方で,やはり,「サイズがあれば」という前提条件があるものの,そうなれば身長が高い選手の方が有利であるというのも事実であり,3位だったSamson Daudaは今度の進化が期待されます.