ボディビルディング競技が人の目を使った客観審査である競技の特性上,必ず,ジャッジが偏ってしまうという問題点がいつも発生します.
今回は,アーノルドクラシック 2020 in コロンバス オハイオにて”最も過小評価された男”であるマックスチャールズについて皆さんに紹介したいと思います!
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アーノルドクラシック 2020でのマックスチャールズのコンディション
以下がアーノルドクラシック2020 in コロンバス オハイオにおけるマックスチャールズのコンディションになります.
マックスチャールズは,最終的な順位は8位でしたが,多くの人はトップ6に入賞してもおかしくないコンディションだったと述べていますね.
この投稿を見ても,ミッドセクションのセパレーションが深く刻まれており,非常にコンディションが良さそうに見えます.また,肩の筋肉のつき方は,黒人選手の特有の丸々とした感じであり非常に素晴らしいです.
マックスチャールズの比較としてアーノルドクラシック以前に最近に出場したコンテストは2019年のジャパンプロになります.マックスチャールズのジャパンプロでのは7位と振るいませんでした.
以下が,YouTubeで見つけた2019年のジャパンプロのマックスチャールズのフリーポーズです.
比較できるのは一部のポーズだけになりますが,その比較だけでも今回のアーノルドクラシックでの仕上がりが如何に素晴らしかったかが分かりますね.
まず,ジャパンプロでは身体が水っぽいことが分かると思うのですが,今回のアーノルドクラシックでは非常にドライに仕上がっていることが分かると思います.
次に,ジャパンプロでは,前述した水っぽさに加えてバスキュラリティ不足が目立ち,コンディション不足であることが一目で分かるのですが,今回のアーノルドクラシックでは血管が浮きに浮いており,コンディションをかなり高めていたことが分かります.
一番比較しやすいモストマスキュラーポーズですが,ジャパンプロでは以下の様になっています.
2つの写真を比較することで,腹筋のセパレーション,バスキュレーションがともに今回のアーノルとクラシックの方が断然優れていることが分かりますね.
マックスチャールズが優れたコンディションを作り出せた理由
今回,マックスチャールズがこれだけのコンディションを作り出せたのは,彼のコーチであるMilos Sarcev (ミロス)のおかげに他ならないでしょう.
ミロスは,多くの人が知っているかと思うのですが,日本人のトッププロボディビルダーである山岸秀匡選手のコーチでもあり,山岸選手をトップの選手になるための基礎を作り,さらには山岸選手が引退を覚悟したときに再び世界トップレベルで戦えるまでに引き上げたコーチとして有名です.
Betty 鈴木さんのブログを拝見した限りでは,実は,ジャパンプロで既にマックスチャールズはミロスとコーチングの契約をしていたのにも関わらず,ミロスへの質問の仕方などが良く分かっていなかったことで大会に出場するのにも関わらずコンディション等に関する質問が全くなく,これにより理想とするコンディションを披露することができなかったそうです.
今回のアーノルドクラシックでは,直前に多数の選手が出場を断念したこともあり,ミロスが契約している選手一人一人をしっかり見ることができ,それによりマックスチャールズもしっかりと直前のコンディション指導が入ったことで今回の様な素晴らしいコンディションを発揮することができたのではないかと思います.
それにしても,ミロスが指導するだけでここまで劇的に身体が変化するとは,正直,ミロスの手腕は素晴らしいものがありますね.
終わりに…
今回のマックスチャールズですが,私も非常に良かったと感じており,もう少し順位が上でも良かったかなというのが第一印象です.
それにしても,ジャパンプロでのあの身体から,今回のアーノルドクラシックでここまで研ぎ澄まされたコンディションに持っていくとは,さすがミロスであると感じました.私も一度でも良いので,彼のコーチングは受けてみたいなぁと感じました.
2020/09/24追記:
今回,アーノルドクラシックにて過小評価を受けてしまったマックスチャールズですが,続く,ニューヨークプロ 2020,カリフォルニアプロ 2020で不運にも不当な評価を受けてしまった様です.