オリンピア 2020は,オープンクラスはもちろんですが,212ポンドクラスが非常に面白いことになりそうです.
今回は,オリンピア 2020の212ポンドクラスの注目選手,Ahmd Ashkananiについて,皆さんとシェアしたいと思います!
Ahmd Ashkananiとは
Ahmd Ashkananiは,1985年生まれのクウェート出身のプロボディビルダーで,身長は,160 cmです (体重に関しては,212ポンドクラスの選手であるため,212 ポンド付近だと思ってください.).
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彼は,プロに転向したのが,おそらく2016年になるのですが,タンパプロ 2016で優勝,アーノルドクラシック 2016で1位,オリンピア 2016,2017で2位,ニューヨークプロ 2019で1位という素晴らしい成績を残している212ポンドクラスのトップ選手です,
オリンピア 2018で4位,オリンピア 2019で5位と,プロデビュー当初と比較すると近年は,やや陰りのある選手にはなるのですが,それでも,後述する中東の選手独特のバルキーなサイズは侮れず,コンディションを合わせることができれば,優勝も狙える選手になります.
Ahmd Ashkananiに注目する理由
オリンピア 2020の212ポンドクラスにおいて,Ahmd Ashkananiに注目する理由としては,中東選手独特のバルキーなサイズからです.
彼が212ポンドクラスに登場した2016年当時,212ポンドクラスと言えばフレックスルイス,デイビットヘンリー,ホセレイモンド,山岸秀匡選手等が上位の常連であり,彼らはサイズというよりはむしろ仕上がりで勝負をする選手でした.
212ポンドクラスは,体重リミットがあるため,オープンクラスとは異なり,際限なくサイズを追求できないことから,仕上がりで勝負をすることは必然の流れなのですが,個人的にその常識を覆した選手がAhmd Ashkananiになります.
実際に,オリンピアに初出場だった2016年はその圧倒的なサイズに,私を含め多くの人が度肝を抜かれたと思います.コンディションを若干蔑ろにしてもサイズを追求するあたりが,いかにも,中東系の選手の様で非常に夢のある選手です.
近年のオリンピアでは,よりミッドセクションを重視するジャッジの傾向が顕著であること,彼自身がミッドセクションが強みでないことが重なり,近年では若干順位を落としてしまっています.
注目の2020年の仕上がりですが以下になります.
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やはり,各筋肉のセパレーションには欠けますが,それをもってしても,各部位のサイズ感は非常に素晴らしく,これに加えて,この投稿をみる限りでは,腹筋周りにまでバスキュラリティが走っているため,相当に仕上げてきているという印象です.
彼の課題は明確であり,それはコンディションになります.よく,腹筋周りが指摘されますが,私はそれよりも,やはりセパレーションがはっきりしないのが課題だと感じています.彼の特徴である,サイズを際立たせるために,もっと筋肉のセパレーションをはっきりさせることができれば優勝も見えてくるのではないでしょうか.
終わりに…
実は,Ahmd Ashkananiと山岸秀匡選手は,私の知る限りでは過去に2度 (オリンピア 2016,オリンピア 2019)対戦しており,いずれのコンテストでも山岸選手はAhmd Ashkananiに敗れています (特に印象深いのは,オリンピア 2016です.当時,アーノルドクラシックで優勝した山岸選手は,オリンピア初優勝を狙ったコンテストでAhmd Ashkananiに敗れ6位に終わっています.その後,山岸選手が1年の休養期間に入ったこともあり,私の中ではオリンピア 2016は非常にセンセーショナルだったコンテストの記憶があります.).
単純なコンディションだと,圧倒的に山岸秀匡選手の方が良いのですが,それをも覆すAhmd Ashkananiは,近年,順位を落としてはいますが,やはり侮れない存在であり,212ポンドクラスにおいて注目の選手になると思います.
2021/02/07追記:
オリンピア 2020 212ポンドクラスの結果は以下になります.
Ahmad Ashklananiは2年連続の5位となりました.サイズは大きいのですが,やはりコンディションが課題です.