ドリアンイェーツは,なぜ,”マスモンスター”になったのか

90年代から2000年代初頭にかけて,オリンピアではサイズ重視の傾向が非常に強まり,そのきっかけを作ったのが,Dorian Yates (ドリアンイェーツ)と言われています.

そんな,ドリアンイェーツですが,そもそも,なぜ,「サイズ重視で仕上げる」という,それまでのボディビルディングのトレンドとは異なることをしたのでしょうか.

今回は,ドリアンイェーツがその疑問について答えている動画を見つけたため,皆さんとシェアしたいと思います!

ドリアンイェーツへのインタビュー動画

ドリアンイェーツへのインタビュー動画ですが,以下の動画になります.

動画の作成元ですが,Generation Ironになります.

今回の動画では,ドリアンイェーツが以下の点について語っています.

  • 自身が活躍した90年代のボディビルディングについて
  • 自身が”マスモンスター”になることを決めた理由
  • 自身と同様に”マスモンスター”と称されるロニーコールマンについて

1点目について,ドリアンイェーツは,主に90年代初頭から90年代の後半にかけて活躍した選手であり,いわゆるこの時期は,”ボディビルディングの黄金時代”と言われ,これを元に,過去にはブランドンカリーを散々にこき下ろしていましたから,その内容は特記するまでもないまでもないと思います.

3点目については,彼と同じく,マスモンスター ( = サイズが極めて大きいこと)と形容され,オリンピアを8連覇を果たしたロニーコールマンについて語っています.意外と,ドリアンイェーツがロニーコールマン について語っているのを見たことがなかった気がするため,新鮮でしたね.

ドリアンイェーツ,”マスモンスター”になると決めた理由

ドリアンイェーツが”マスモンスター”になると決めた理由については,「結局はボディビルディングはどれだけ筋肉のサイズがあるかというスポーツであり,実際に,過去のボディビルディングでは,結局はサイズがある選手が勝っていること」を理由に挙げています.

これを考えるにあたって,彼が挙げているのはArnold Schwarzenegger (アーノルドシュワルツェネッガー)とLee Haney (リーヘイニー)になります.

Arnold Schwarzenegger (アーノルドシュワルツェネッガー)は,曰くつきの判定もありがながらも,7度もオリンピアを制しています.

当時のアーノルドシュワルツェネッガーのライバルに関しては,何人か挙げられますが,その中でドリアンイェーツが言及しているのはFrank Zane (フランクゼーン)です.

 

この投稿をInstagramで見る

 

Frank Zane(@therealfrankzane)がシェアした投稿

以上を見れば分かる通り,彼がプロポーションで優れていることはいうまでもありませんが,やはりそれでも,アーノルドシュワルツェネッガーが勝ったのは,絶対的に彼の方が大きかったためであると結論づけています.

次に,リーヘイニーですが,彼は,オリンピア史上最多タイの8連覇を果たしています.

リーヘイニーライバルについても何人か挙げられますが,ドリアンイェーツが述べているのはLee Labradaです.

彼はリーヘイニーより,プロポーションやストラクチャーで優れていたものの,ハムストリングスや脹脛で劣るなど,やはり,リーヘイニーの方が絶対的にサイズという側面で有利であり,結局は彼はオリンピアで8連覇していることが述べられています.

以上より,勝つためにはサイズが非常に重要であり,とにかくサイズに意識してコンテストに出場していたということが述べられています.ただ,ここで興味深いのは,実際には,もっと大きくすることもできたということが述べられている点です.

もっと大きいドリアンイェーツを披露できたかもしれない

ドリアンイェーツは,1992年,1993年を振り返り,よりサイズアップした自身を披露できた可能性について述べています.

まず,1992年ですが,これは彼がオリンピアで最初に優勝した年になります.

この年ですが,毎週体重を測定し,様々な角度から撮影を行い,コンテスト6週間前で既にコンテストに出場できる状態だったと回顧しています.リーヘイニーが出場しないことを知り,サイズがなくても,Shawn RayやVince Taylorに勝てる自信があったことから減量をかなり行い,結果的に,筋肉はなかり犠牲にしたが,コンディションは良かったことが述べられています (確かに,この動画を見る限りでは,ドリアンイェーツにしてみると,かなり細いですよね.).

そのため.1993年はサイズ重視,すなわち,16-17 lbs ( = 7.26-7.71 kg)のサイズアップを行ったのですが,オリンピア優勝者がここまで大きくなった例は未だかつてなかった様です.

恐らく,ドリアンイェーツがもっと大きくできたと言及しているのは1992年の自分だと考えられますね.

終わりに…

“Gama Changer”と呼ばれるほど,当時のドリアンイェーツのサイズは企画外でしたが,そうなる背景には緻密な思考があったということは非常に興味深かったです.

特に,今回の動画では,彼がボディビルディングにおいて最も重要なことはサイズであるということを感がていることを知ることができて非常に面白かったです.

関連記事