Iain Valliereはミスターオリンピア 2020,2021では7位に入り,トップ6まであと一歩のところまで来ていましたが,ミスターオリンピア 2022ではまさかのトップ10を逃すという結果になりました.
Iain Valliereとは
Iain Valliereは,1990年カナダ生まれのプロボディビルダーです.身長は約178 cm,体重は約118 kg (恐らくコンテスト時)です.
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彼は,Amateur Olympia Mexico 2014で優勝することでIFBBプロカードを取得し,プロ転向を果たしました.
翌年の2015年から精力的にコンテストに出場しますが,2015-2017年は思うような成績を残すことができませんでした.彼が飛躍したのは2018年であり, Big Man Weekend Pro 2018で優勝してミスターオリンピア 2018に初出場し14位に入ります.
2019年には, Toronto pro 2019 (トロントプロ)で2位, Vancouver Pro (バンクーバープロ)2019で4位,Tampa Pro (タンパプロ) 2019で3位など,名だたるコンテストで上位に入賞します.
2020年は,IFBBプロリーグの三大コンテストに数えられるNew York Pro 2020で優勝し,ミスターオリンピア 2020では大躍進の7位に入ります.
2020年の活躍でトップ選手の仲間入りした印象が強く,2021年にはタンパプロ 2021,Texas Pro (テキサスプロ) 2021で優勝し,アーノルドクラシック 2021 in コロンバスオハイオでは2位,ミスターオリンピア 2021では7位に入ります.
ちなみに,同じくカナダ選手であるChris Bumstead (クリスバムステッド)とはトレーニングパートナーであると同時に,クリスバムステッドのお姉さんがIain Valliereの奥さんにあたります.
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Iain Valliereがミスターオリンピア 2022を振り返った動画
Iain Valliereがミスターオリンピア 2022を振り返った動画は以下です.
動画の作成元は,Fouad Abiad Mediaです.
今回の動画の長さは1:57:42です.
Iain Valliereはミスターオリンピア 2022の結果に悔しさを滲ませる
Iain Valliereはミスターオリンピア 2022を振り返り,悔しさを滲ませます.
There was a mixture of frustration and disappointment. Mostly, I was overwhelmed with embarrassment at first but that faded really quickly. Then, I really just wanted another chomp at the bit. We made some mistakes, I made some mistakes. Then that opportunity passes by so quick. It’s come and gone like that. You prep for six months and you f**k something up and then it’s over with. And then you’re like, ‘f**k I gotta wait a whole other year to get my, to show them that that wasn’t me.’ That’s what I felt like the day after in my moment of gloom and doom
悔しさと落胆が入り混じっています.最初は恥ずかしさでいっぱいでしたが,それもすぐに消えました.そして,もうひと踏ん張りしたい気持ちになりました.私たちはいくつかミスをしたし,私もミスをしました.そして,そのチャンスはあっという間に過ぎ去ってしまった.そんな感じで行ったり来たりしています.6カ月間準備して,何か失敗したら,それで終わり.そして,「ああ,もう1年待って,あれは僕じゃなかったってことを見せなきゃいけないんだ」.その翌日,暗澹たる気持ちになりました.
ミスターオリンピア 2022でのIain Valliereですが,「2021年と比較してコンディションが大幅に悪化した」と個人的には感じてはいました.
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Iain Valliereは,そもそも,抜群にコンディションが良い選手ではなく,あくまでもストラクチャーで勝負する選手なのですが,ここ2年のオリンピアではストラクチャーに加えてオ非常に良いコンディションのピークを持ってきていたことがかなりの好成績につながっていました.ただ,それでも,コンディショニングが極まっているかと言われると,そうでもないというのがIain Valliereでした.
以上を言い換えると,Iain Valliereがコンディションが良くなるととんでもない結果を残すことになるのですが,それでもかなり絞りはするものの,やはり,あともう少しの絞りが足りないという感じであり,そこを突破できるかどうかが彼の最大の課題ではないかと思います.
Iain Valliereのミスターオリンピア 2022での敗因
Iain Valliereはミスターオリンピア 2022での敗因について,自身のポージングに加えてコンディショニング作りに問題があったことを指摘します.
“hat happened was we had reduced my sodium by a third on Thursday which really we don’t typically do. Sodium, and water for me need to be consistent variables and they can’t dip down too much, especially for extended periods of time. We got away with it for one day, with the reduced sodium, and then Friday morning I actually woke up looking f**king awesome. I think because usually I wake up pretty flat and build throughout the day, I woke up actually pretty full. So I think that scared us a little bit and it was like, sh*t, we have to not spill by nine PM.
“So we kept the sodium backed off, brought the water down, and meals were on the moderate side… There were active diuretics there plus reduction of sodium and water plus the meals weren’t as big. Maybe for the first meal or two, I started to look a little better with a little food before the sodium and water effects kind of started to show. Then as the day went, my look just deteriorated.
木曜日にナトリウムを3分の1まで減らしたんです.ナトリウムと水分は常に一定である必要があり,特に長期間にわたって下げすぎるわけにはいかないのです.ナトリウムを減らして1日過ごしたんですが,金曜日の朝は本当に素晴らしい顔で目覚めることができました.いつもは,朝起きるとおフラットになっているのですが,朝起きると身体がパンパンになっていました.それで,ちょっと怖くなって,「午後9時までにはこぼさないようにしないと」と思ったんです。
だから,ナトリウムを控えめにして,水を減らし,食事も控えめにしたんです.たぶん最初の1,2食はナトリウムと水分の影響がなんとなく出てくる前に,少し食べると見た目が良くなってきたんだと思います.そして,日が経つにつれて私の表情はどんどん悪くなっていったのです.
以上から分かる通り,ナトリウム (塩)カットに失敗したことが発端となって,彼のカーボローディングにも問題を与えたということが推察できます.実際に,彼の本番の状態を見ると,背中の凹凸感が2021年よりもなかった点や,臀部やハムストリングスのストリエーションの入り方が明らかに2021年よりも甘く,コンディショニングに問題があったことが分かります.
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(この写真からも彼の下半身が良くないことがわかりますね.)
彼は,そもそもバックポーズがそこまで良い選手ではないことから,臀部やハムストリングスなどのバックポーズで非常に重要となる部位が不調となると,バックポーズ全体の評価がかなり落ちてしまったということが推察できます.
以上から,「ここ2年は良かったコンディショニングを整えることができなかった」ことがIain Valliereのミスターオリンピア 2022での敗戦の原因であることが分かります.ただ,ここ数年の彼と比較すると,「塩の調整ミスがここまで影響を与えるか」というくらい彼のバックポーズが良くないことから,改めて,水抜き,塩抜きなどの直前のピーキングの合わせ方の難しさを感じますね (IFBBプロ及びそれを指導するコーチでさえ間違えてしまうということからかなりの難易度の高さが伺えます.).
これまで,Iain Valliereはコーチとして彼の義兄弟であるChris Bumstead (クリスバムステッド)に師事していましたが,ミスターオリンピア 2022を期に以上の様な関係を解消しました.
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(あくまでも,円満な形での関係性の解消です.)
Iain Valliereにとって,「自身の身体をよく知っているコーチ」がいなくなってしまったことが,彼の調整に影響を与えた可能性というのは否定しきれないのではないでしょうか.
終わりに…
Iain Valliereは,基本的にはオリンピアやアーノルドクラシック以外のコンテストではほぼ問題なく優勝する力があります.ただ,それ以上の結果を残そうとすると,やはり現状の身体の仕上がりでは問題があるということであり,個人的には,サイズはかなり十分であるため,コンディショニングにより注力すべきではないかと感じています.