IFBBエリートプロリーグの逸材だったMichal Krizoは,IFBBプロカードの取得を目指しており,その彼について,IFBbプロカード取得はおろか,オリンピアに出場可能であることを多くの人が指摘しています.
そんなMichal Krizoについて,往年の名選手の一人であるLee Priest (リープリースト)はいくつか気になるところを指摘しており,今回はそれについて皆さんとシェアしたいと思います.
リープリーストとは
リープリーストは,1972年生まれのオーストラリア出身のプロボディビルダーです.身長は,162.5 cm,体重は102.1 kg-106.6 kgだったと言われています.
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彼は,1990年代初頭から2000年代初頭にかけて活躍した選手です.すなわち,ボディビルディングで黄金期と言われた1990年代を戦い抜いたということがわかります.
彼の身長は,前述した通り約163 cmであり,この身長は現在のボディビルダーと比較してもかなり低い部類に分類されます.その中で,1990年代でマスモンスターと形容される選手と互角以上に戦ってきたというのは凄まじいとしか言いようがありません (当時は,202 クラス (212 lbsクラスの前身)もなかったため,オープンクラスに出場するという選択肢以外ありませんでした.).
彼は,Mr. Australiaのタイトルを若干19歳で獲得しましたが,年齢制限のためにIFBBプロカード取得には至りませんでした.ただ,20歳で出場したNiagara Falls Championshipsで優勝し,IFBBプロカードを取得しました.
若干20歳でプロに転向しましたが,やはり,1990年代ということで,プロカードを取得した後はかなり苦労したことが伺えます.彼にとって飛躍の年となったのが1997年であり,この年は精力的にコンテストに出場してオリンピアの出場権を獲得し,6位となります.
そこから,オリンピアには1998,1999,2000,2002,2003と出場し,オリンピア 2000,2002では6位に入賞します.
その後も精力的にコンテストに出場し続けましたが,2018年に首の怪我が理由で身体が以前の状態に戻らないため,引退宣言をしていました.
リープリーストを語る上で,彼は身長163 cmの中にとんでもない量の筋肉が敷き詰められていた選手ですが,やはり彼の特筆すべき点は腕だったと思います.彼の腕の強さは,当時の選手と比較しても全く遜色なくむしろ強みであったという点は,彼の身長を考えるととんでもないことだと思います.
ちなみに,彼は,現役を引退してから,身体全身に刺青を入れたことでも有名です.
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ここまで刺青を入れてしまうと,身体の陰影がはっきりしなくなるため,現役当時には刺青をいれなかったことが推察されますが,顔まで刺青を入れているということは相当に刺青をいれたい願望があったのでしょうね.
Michal Krizoとは
Michal Krizoは,1986年生まれのスロバキア出身のボディビルダーです.身長は182 cmで体重は,118 -130 kgであり,個人的には.「IFBBエリートプロにしては,IFBBプロの様な体型をしているな」というのが第一印象になります.
この写真を見れば分かる通り,非常に身体が大きいですよね.ただ,上半身が大きくてもウエスト周りが細く,まさにV字の体型を体現している存在であると言えます.また,腕まわりが非常に素晴らしく,特に上腕二頭筋まわりの太さは58 cmを超える様です.これら2つの特徴に埋もれがちですが,下半身ももちろん素晴らしく,大腿四頭筋はとんでもないことになっています.
彼は,2018年と2019年のアーノルドクラシック in ヨーロッパで優勝しており,IFBBプロリーグが2017以前の状態だったならば,理論上はミスターオリンピアに出場することができたはずでした.しかし,2017年に,IFBBプロとIFBBエリートプロが分裂したことがきっかけで,彼は,「IFBBエリートプロ」ということでオリンピアに出場することはできませんでした.
リープリーストがMichal Krizoの気になる部分について指摘した動画
リープリーストがMichal Krizoの気になる部分について指摘した動画は以下です.
動画の作製元は,RxMuscle — The Truth in Bodybuildingです.
今回の動画の長さは48:20です.
今回の動画では,リープリーストがMichal Krizoの気になる部分について指摘していることはもちろんですが,Nick Walkerとの比較も行っています.
リープリーストが指摘するMichal Krizoの気になる部分とは
まず,リープリーストは,Michal Krizoのファーストインプレッションについて以下の様に述べています.
I saw Flex Lewis did a video too, and Milos and everyone is saying that the videos and the photos don’t do him justice to in person and they’re saying that’s not like contest shape. I’m thinking the conditioning on him now, if that’s a somewhat off-season type thing…
“He probably would because how many of the big pros are probably going to Prague? He’d probably be the number one
フレックスルイスもビデオを撮っていましたが,ミロスを含めて,ビデオや写真では実際の彼を正当に評価していないと指摘します.あれはコンテストの形とは違うと言っているんです.今の彼のコンディショニングは,もしそれが多少オフシーズン的なものだとしたら,とんでもないことです.
彼はおそらくオリンピアの出場権を得るでしょう.なぜなら,プラハに行くビッグプロは何人いるのでしょうか.彼はおそらくナンバーワンでしょう.
多くの人が,Michal KrizoがIFBBエリートプロだったときから彼を見たことがあったわけですが,実際に見てみると,かなり印象が異なるということを指摘しています.
彼は,プラハプロの前日に行われるプロクオリファイでプロカード取得を目指し,その翌日のプロコンテストに出場するということになるのでしょう.プラハという土地柄もあり,毎年,ビッグネームが参戦するコンテストではないことから,プロカードを取得したMichal Krizoがいきなり優勝する可能性は大いにあるということなのでしょう.
ただ,一方で,ビッグネームと同じステージに立つことがないため,リープリーストは彼の気になるところについて以下のように指摘しています.
It’s going to be interesting to see him getting on stage with the other guys. I think, go on by now, I think he will get top ten for sure but from there on, I don’t know. He’s so pale too… he needs a good tan that’s for sure
彼が他のメンバーと一緒にステージに立つのを見るのは面白いですね.今までのところ,彼は確実にオリンピアではトップ10に入るだろうけど,そこから先はわからないです.彼は顔色が青白く,日焼けが必要なのは確かです.
つまり,彼一人で写真に写った場合において,彼が素晴らしいということは当然のことであり,実際にビッグネームと並んで立ったときに彼がどのようにして見えるのかが分からないということです.
彼のコンテストプランのまま進めば,オリンピアまで彼はビッグネームとは当たることがほぼないため,実際に,それが確認できるオリンピアでどの様な成績を残すことができるのかが未知数であるということなのだと思います.
彼がコンテストに立っているときの状態を見ると,日焼けというよりはカラーリングをしていることが伺えます.実際に,日焼けは健康を考えるとそこまで芳しいものではないため,個人的にはカラーリングで良い気がしますが,カラーリングを映えさせるには下地となる肌をもう少し焼いた方が良いということなのでしょう.
終わりに…
Michal Krizoは,IFBBエリートプロの時代から敵なしの状態であるため,彼の2022年のコンテストプランが順調にいけば,オリンピアまで彼が強敵と言える選手とはぶつからないことになります.
それが良いことなのか,悪いことなのか断言できませんが,今回,リープリーストが指摘する様に,彼が他のビッグネームと並んだときにどのように見えるのかというのは注目すべきポイントだと思います.