限られた時間の中で限界まで追い込むならば,スーパーセットとジャイアントセットが有効です.しかし,日本のジムでこれらのトレーニング方法を採用している人は驚くほど少ないです.
今回は,スーパーセット及びジャイアントセット法について皆さんに公開します.
スーパーセット (法)とは
スーパーセット法は,2種目をインターバルなしで連続で行うトレーニング方法です.
2種目の選択肢としては,主動筋と拮抗筋 (※)をターゲットとした種目を選択します.
※主動筋と拮抗筋とは,筋肉が動く時は主にターゲットとする筋肉 (=主動筋)とそれを補助する役割の筋肉 (=拮抗筋)です.
一番簡単な例だと,アームカールをする際のターゲット部位は上腕二頭筋であり,上腕二頭筋を収縮させることで効かせますが,それと同時に反対側の筋肉である上腕三頭筋が収縮しています.このとき,上腕二頭筋が主動筋となり,上腕三頭筋が拮抗筋となります.基本的に解剖学がよくわからないという人は,主動筋と拮抗筋は裏表についてる筋肉と考えるとわかりやすいです.
主動筋と拮抗筋の一例は以下の通りです.
- 上腕二頭筋と上腕三頭筋
- 広背筋と大胸筋
- 大腿四頭筋とハムストリングス
- 腹直筋と脊柱起立筋
以上を見ればわかるとおり身体の裏表についている筋肉です.
一方で,スーパーセット法の中には,全く同じ筋肉を連続でターゲットとする方法もあります.それがコンパウンドセット法です.実際のところ,日本のジムはマシンの数が限られており,複数のマシンを専有できないため,握り方を変えるなどしたコンパウンド法の方が行われている傾向があります (それでも行っている人は少ないですが….).
以上ではスーパーセット法とコンパウンドセット法を分けて説明しましたが,これらを区別して考えている人は少なく,実際には2種目連続で行っていたらスーパーセットと呼ぶことが多いです.
ジャイアントセット (法)とは
ジャイアントセット法を日本のジムで行っている人はスーパーセット以上に少ないです.
と言うのも,ジャイアントセット法は4種目以上のトレーニングをインターバルなしで行うためです.すなわち,場所が限られている日本のジムでは実施することが難しいトレーニング方法です.
ちなみに,3種目連続で行うトレーニング方法はトライセット法と言いますが,トライセット法を含めてジャイアントセット法と呼ぶことが一般的です.
ジャイアントセット法での種目の選択方法ですが,基本的に4種目以上の種目を選択すれば良いです.例えば,胸をトレーニングする日であれば,胸の種目を4種目以上連続で実施します.このとき,グリップの位置や方法を変えるのも有効です.ジャイアントセット法の利点としては,4種目以上連続で行うため,様々な角度から筋肉を刺激することができ,短時間で強烈な筋疲労を得ることができます.
ジャイアントセット法と言えば,Milos Sarcev(ミロス)が非常に有名です.
この投稿をInstagramで見る
ミロスは過去には,日本人プロボディビルダーである山岸秀匡選手が師事していました.以下の動画ではミロスと山岸選手が肩のトレーニングでのジャイアントセットを行っています.
ちなみに,普通の人はこんな高重量かつ正確なフォームでジャイアントセットをすることはできません.
ジャイアントセットは4種目以上を実施するため,扱う重量は比較低重量となります.実際に,上の動画を見てわかる通り,プロボディビルダーが実施するトレーニングにしては扱う重量が軽いことがわかります (それでも高重量ですが….).
スーパーセット,ジャイアントセット法の実施方法
日本のジムでスーパーセット法やジャイアントセット法を行う手段としては,以下が考えられます.
- 比較的大きいジムに行く
- 空いている時間にジムに行く
- 複数のマシンを使うのではなく,一つのマシンでグリップを変えてみる
比較的大きいジムに行く
比較的大きいジムに行けば,マシンの数も相当数になるためスーパーセット,ジャイアントセットを実施できることがあります.
この大きいジムですが,日本で言えば例えばゴールドジムが該当します.ただし,ゴールドジムの規模のジムでも,ジムに行く時間によっては大混雑していて満足のいく器具を使えないということも多々あるため,大きいジムに行くことで確実に解決できるわけではないことに留意しましょう.
空いている時間にジムに行く
空いている時間帯にジムに行けば,スーパーセット,ジャイアントセットを実施できることがあります.
空いている時間であれば,例えば,アジャスタブルベンチを長時間使っていても問題ありません.このため,朝早くや夜遅くや午後の早い時間などの空いている時間ならば,スーパーセットやジャイアントセットを実施する上で比較的問題ないと思われます (そのためにはジムが空いている時間を把握している必要がありますが….).
複数のマシンを使うのではなく,一つのマシンでグリップを変えてみる
複数のマシンを使うのではなく,一つのマシンでグリップを変えて実施すれば,スーパーセット,ジャイアントセットを実施できることがあります.
グリップの位置や方法を変えるだけで,ターゲット部位は変化させることができるため,一つのマシンでも実施可能です.おすすめなのが,アジャスタブルベンチを利用したフリーウェイトであり,これなら身体の向き,ベンチの角度,立つのか座るのか,種々の種目といった観点からジャイアントセットが実施可能です.
ただし,混んでいる時にはやらないでください!迷惑になる可能性があります!
終わりに…
スーパーセット及びジャイアントセットは個人的な意見として極めて効果的なトレーニングだと思います.ぜひ,現在のトレーニングでマンネリ化している方は,スーパーセット及びジャイアントセットをワークアウトに取り入れて見てください (ジムが混んでいる時にはやらないでください.)!