筋トレの,特に胸トレのフォームの解説を調べるとほぼ必ず出てくる言葉が,「フラットベンチ」,「インクラインベンチ」,「ディクラインベンチ」というワードです.
今回は,これらのワードの意味,そして,効果的な実施方法について考察していきたいと思います!
「フラットベンチ」とは
「フラットベンチ」,通称,「フラット」とは,身体が床に対して平行になる状態を指します.ベンチプレス ,チェストプレス,スカルクラッシャーなどはこの「フラット」状態で行うことが多いですね.
フラットベンチは一般的に,上の様なものを指しますが,ベンチプレス台を指していうこともあります.
フラットベンチの特徴としては,ほぼ全てのジムで実施できるという点にあります.なぜなら,多くのジムでベンチプレス台もしくはフラットベンチ台が置いてあるためです.
フラットベンチを用いて寝そべって行うトレーニングの多くは,良く悪くもチーティングをしやすく,また,フォームが崩れやすいという特徴があります.そのため,私個人の感想としては,フラットベンチで寝そべって行うトレーニングは実施は容易ですが,実は難しいものが多いです (ベンチプレスがその際たる例ですね.).
「インクラインベンチ」とは
「インクラインベンチ」,通称,「インクライン」とは足が上体よりも下側にあり,身体が床に対して角度を持った状態を指します.インクラインチェストプレス,インクラインカールなど,当たり前ですが種目の先頭に「インクライン」と付く種目はインクラインベンチを使用します.
この他にも,インクラインベンチは状態を固定するのに使用することができます.例えば,サイドレイズは,普通に実施するとどうしても身体を煽って重りをあげがちですが,インクラインベンチをかなり角度をつけてベンチと胸が合う様にセッティングすれば,上体を固定したトレーニングが実施可能となります.
インクラインベンチの特徴としては,フラットベンチほどではないですが,これも多くのジムに置いてある印象があります.正直,これ1台あるだけでびっくりするほどトレーニングのレパートリーは増えます.
インクラインベンチを使用するトレーニングの多くは,フラットベンチの種目と比較して重量を扱いにくいという特徴があります.また,コンパウンド種目でも,インクラインにするだけでストレッチを意識しやすい種目が多いと思います.
「ディクラインベンチ」とは
「ディクラインベンチ」,通称,「ディクライン」とは足が上体よりも上側にあり,身体が床に対して角度を持った状態を指します.ディクラインチェストプレスなど,当たり前ですが種目の先頭に「ディクライン」とつく種目はディクラインベンチを使用します.
ディクラインベンチとは言っていますが,いわゆる,腹筋台とほぼ同様の作りをしています.腹筋台と考えると,日本のジムの多くに置いてある気がしますが,実はディクラインベンチは日本のジムにはあまり置いてありません.ゴールドジムでさえ,大きめの店舗でないとディクラインベンチは置いてない印象があります.そのため,ディクラインベンチの実施は非常に限られます.
そのため,ディクラインベンチがジムにないという方がディクライン系の種目を行いたい場合には,以下の3つの方法が考えられます.
- フラットベンチ上でブリッジ姿勢をつくって実施
- 腹筋台で実施
- スミスマシンで実施
まず,一点目ですが,フラットベンチ上で過剰にブリッジ姿勢を作れば,フラットベンチでもディクラインの姿勢を再現することが可能となります.ただ,この場合,背中の支えがないため高重量を扱うことは望めません.
次に,二点目ですが,腹筋台を用いればできなくもありません.ただ,これもベンチのものに依存しますし,腹筋台の近くに重りが置いてないパターンが大半であるため,実施は憚られます.
最後に,三点目ですが,スミスマシン台に設置してあるインクラインベンチをある角度をつけて設定し,それの背中をかける方に足をかけて使えばディクラインベンチになります (過去に鈴木雅選手が実施していました.).ただ,これは慣れないとセッティングが結構難しいです.
以上より,意外と実施できる環境が限られているディクライン系の種目の特徴は,高重量を扱えるということにあります.今回紹介した,フラット,インクライン,ディクラインの中では一番高重量を扱えます.そのため,ディクラインをわざと最後の種目に持ってくるというトレーニングの組み方もありです.以前紹介したSadikも胸トレはその様に組むときもあると解説を行いました.
終わりに…
今回紹介した中でも特に実施に困るのが,ディクライン系の種目でしょう.
ディクラインの種目も今回紹介した方法を用いれば,少なくとも,フラットベンチがあれば実施できるため,ぜひ試してみてくださいね!