我々の多くは,普段から何らかのストレスに晒されながら生活しています.
一定のストレスは,我々が成長する上で欠かせませんが,実は,そのストレスも過剰になると,コルチゾールという物質の分泌が活発になり,結果として「筋肉を減らす」という問題を引き起こします.
今回は,コルチゾールという物質に焦点を当てて,コルチゾールの効果,及びコルチゾール分泌に対する対策について皆さんとシェアしたいと思います!
コルチゾールとは
コルチゾールは,副腎皮質から分泌されるホルモンの一種であり,ヒドロコルチゾンとして医薬品としても用いられています.
コルチゾールの主な働きは,以下の5点です.
- 糖新生 ( = 乳酸,ピルビン酸,アミノ酸,プロピオン酸からグルコースを生成)
- 筋肉の分解
- 脂肪分解
- 抗炎症
- 免疫抑制
コルチゾールが医薬品として用いられるのは,抗炎症作用と免疫抑制作用があるためでしょう.実際に,ヒドロコルチゾンは,ステロイド系の抗炎症作用薬として使われている様です.
すなわち,コルチゾールは,我々が生きていく上で必須のホルモン物質なのですが,トレーニーにとっては極力避けなくてはならない物質になります.これは,コルチゾールが多量に分泌されると,特に,筋肉の分解が促進し,免疫が低下するためです.
そのため,我々,トレーニーはできるだけコルチゾールの生成をできるだけ抑制する必要があります.
コルチゾールの分泌/対策
コルチゾールは特に以下の場面で分泌されると言われています.
- 朝方
- 空腹のとき
- 不安,緊張がかかる場面
- 長時間のトレーニング
以上を総称すると,身体的,肉体的にストレスのかかる場面であることが言え,このことからコルチゾールはストレスホルモンと言われています.すなわち,以上で列挙したこと以外でも身体的,肉体的にストレスがかかっているときにはコルチゾールが多量に分泌されていることがいえるため注意が必要です.
以下では,各場面でのコルチゾール対策について一例を示します.
朝方のコルチゾール分泌
朝方は,起床時に伴うストレスからコルチゾールが分泌されると考えられます.
起床時のコルチゾール分泌に対して,多くのボディビルダーはアナボリック効果を高めるグルタミンを起床時に摂取しています (5 g程度).グルタミンには,整腸効果もあるため,朝方に摂取するのは非常におすすめです.
空腹のときのコルチゾール分泌
空腹時にもコルチゾールは分泌されます.
空腹に対するコルチゾール分泌に対する対策は単純で,空腹状態を作らなければコルチゾールの分泌は抑制されます.そのため,3-4時間ごとにこまめに食事をとるなどして,できるだけ食間が空かないように工夫をしましょう.
不安,緊張によるコルチゾール分泌
不安,緊張でもコルチゾールは分泌されます..
これは最も制御が難しく,なぜならば,不安・緊張は外的要因によるものが多いためです.そのため,自身で制御できないもの,例えば,「上司」,「異動」,などはどうすることもできませんが,自身で制御できるもの,例えば,「満員電車に乗らない」,「徹夜をしない」,「不要な飲み会出席を控える」などは実践する必要があります.
長時間のトレーニングによるコルチゾール分泌
長時間のトレーニングでもコルチゾールは分泌されます.
これは,知らない方にとっては結構意外かもしれませんが,長時間のトレーニングによりコルチゾールの分泌は活発になり,筋肥大が起きに難くい状態になります.
長時間のトレーニングによりコルチゾール分泌に対する対策は,トレーニング時間を短くすることです.一般的に,トレーニング時間が長いほど,コルチゾールの分泌は活発になると言われ,トレーニング時間が2-3時間にもなるとコルチゾールの分泌は非常に活発になると言われています.
ただ,トレーニング時間を短くすると,トレーニングボリューム (セット数)が低下するため,トレーニング ボリュームを一定のレベルのままで,かつ,トレーニング時間が短くなる点を探す必要があります.私の個人的な感覚ですが,だいたい60-75分程度ではないかという考えです.ただ,人によっては1時間未満という人もおりますので,「おおよそ1時間程度でトレーニングを収める」という意識を持つのが良いと思われます.
終わりに…
何らかのストレスに晒されている現代人にとって,ストレスを減らすということは「言うは易く行うは難し」ですが,筋肉を効率的に発達させるためには,自身で実践できるストレス対策については実践すべきです.
特に,「満員電車に乗らない」,「徹夜をしない」といった事柄は,しっかりと時間をマネージメントすればできないことでもないため,実践していきたいですね.