今回は,鈴木雅選手がベンチプレスの特にグリップについて解説を行っている動画を見つけたため,皆さんとシェアさせて頂きます.特に,ベンチプレスで肩を怪我したことの経験のある方は必見です!
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鈴木雅選手解説のベンチプレス
以下が,鈴木選手のベンチプレスの動画になります.
こちらの動画も,以前の鈴木選手のショルダープレスの動画と同様に筋トレ雑誌で有名なIRONMANが制作しています.
なぜ,ベンチプレスで肩を怪我するのか
鈴木選手は,動画の中でベンチプレスで肩が怪我する原因について,「ブリッジをした状態でグリップを立てようとする (=手のひらが床と垂直)から発生する」と述べています.
以下では,「ブリッジ」と「グリップを立てる」ということについて説明します.
なぜ,ブリッジの姿勢をとるのか
まず,ブリッジから説明します.ブリッジとは,ベンチプレスを行う際に用いるテクニックの一つであり,下の写真の様につま先と肩で踏ん張ることで腰をアーチ状にする動作を指します.
参考:https://www.powerliftingtowin.com/improve-your-bench-press-arch/
ブリッジを行うことで胸をストレッチさせることができるフォームを作ることができますし,ブリッジを極めれば,自分の体重に対して何倍もの高重量をベンチプレスで扱うことができる様になります.
さすがに,上の写真の様なブリッジは,ウェイトリフティング特有のものであり,あまりジムで見かけることはありませんが,少なくとも腰を浮かせた似た様なベンチプレスのフォームを見たことがあると思います.
なぜ,グリップを立てるのか
次に,グリップを立ててしまう理由について説明します.
胸のプレス系の種目 (マシンチェストプレスなど),グリップを立てない場合,どうしても肘を畳んだときに,脇がしまってしまい,三頭筋に効きやすくなってしまうという問題点があります.
そのため,マシンのチェストプレス等の場合,手首を立てることによって,脇が閉まらなくなり,胸に刺激が入りやすくなります.
ただ,それをベンチプレスに適用した場合,怪我の原因になります.これは,身体がフラットではなく,前述したブリッジの姿勢をとっているためであり,これによりグリップも変更する必要があります.
ベンチプレスで肩を怪我しないためには
以上の考察より,ベンチプレスで肩を怪我しないためには,グリップを変更する必要があります.ここで,ブリッジをしないという選択をしないのは,ベンチプレスの種目の性格上,大胸筋に効かせるためにはブリッジの姿勢を取ることが推奨されている場合が多いためです.
グリップは,肩甲骨の動きに合わせて,手のひらの中央部で握ります.私も経験がありますが,手のひらの真ん中で握らないと,手首がかなり痛くなります (高重量の場合,真ん中で握っても手首に負担がかかるため,リストラップはかかせないですね.).
ボトムポジションは以下の写真の様になっています.グリップは,サムレスアラウンドで握力を使いなながらも手首を柔らかくして重さを受けている印象です.また,グリップの位置は,肩幅よりも拳2個分くらい外側ですね.ボトムの位置設定は,バーベルが胸にあたるところまで下ろしていますね.
今回は,バーベルのみで非常に軽い重量ですが,鈴木選手の場合,高重量でも胸にあたるまで下ろしています.
次に,トップポジションです.トップポジションでのポイントは,肘でバーベルを突っ張っていない,すなわち肘が伸びきっていないということです.これにより,常に,大胸筋に負荷が乗るため,効率的に大胸筋に刺激を与えることが可能となります.
終わりに…
私は,ベンチプレスで肩を痛めたことがなかったため,「ベンチプレスをやると肩を痛める」という類の質問をよくされるのですが,質問に困窮していました.私は,そういう人は,ブリッジがきちんとできていないのかなと思っていたのですが,どうやら,今回の話だとベンチプレスで肩を痛める原因は,グリップにあったのですね.
人によっては,ベンチプレスも手首を立てるのが良いと解説している人もいます.確かに,手首を立てることで必ずしも肩がこわばるわけではないため,一概に間違っているとは言いにくいですが,リスクが高いのは確かです.また,手首を立ててベンチプレスを行うと,肩を痛めるというリスクに加えて,親指の付け根に負担がかかるという問題が生じるため,私はあまりおすすめしません.
兎にも角にも,ベンチプレスで一度は肩を痛めたことのある方はベンチプレスを行う際に,今日のポイントを押さえて行ってみるのが良いのではないでしょうか.