Bodybuiding.comが制作しているSadik Hadzovicのトレーニング紹介動画の第一弾です.
今回は,Sadikの背中トレーニングをシェアしたいと思います.
Sadik Hadzovi解説の背中トレーニングの動画
以下が今回の背中トレーニングの動画になります.
2017年に公開と言うことなので,Sadikがまだクラシックフィジークのカテゴリーの選手として活躍されていたときの動画になります.
Sadik Hadzovi解説の背中トレーニングのポイント
実施種目は以下になります.
- 1種目目:プルダウン/チンニング (スーパーセット)
- 2種目目:フルデッドリフト
- 3種目目:マシンロウ
- 4種目目:ロープーリーロウ (クローズドグリップ)
- 5種目目:インクラインダンベルロウ
1種目目: プルダウンとチンニングのスーパーセット
1種目目(0:36-1:22)はプルダウンとチンニングのスーパーセットになります.1種目が全体のウォームアップに相当します.
プルダウンは,多くの人が背中トレーニングの前半に入れる種目であり,Sadikもこれをウォームアップとして取り入れています.プルダウンは効かせるのにコツがいる種目ですが彼は以下の様に言っています.
“A地点からB地点に動かすのではなくて,ステージの上に立ったときの様に血流を促して筋肉の収縮を最大限に感じるんだよ.”
すなわち,重い重量を振る様に扱うのではなく,いわゆる”マインド・マッスルコネクション” (簡単に言うと,どこの筋肉を動かしているのか意識すること)を感じて扱うと言うことですね.
プルダウンは,ボトムポジションでしっかりと胸を突き出すことによって背中の収縮感を出しています (英語で良く言う所のChest up!というやつです).
チンニングは,割と手の配置を狭くして行っています.具体的には,トップで前腕部と上腕部の角度が90度になる手の配置ですね.チンニングを行う際に,海外のプロは結構,手の幅を狭くして行う印象がありますね.実際に,伝説的な女子選手であるIris Kyleもその位の手幅で行っています (1:42-2:27).
2種目目: フルデッドリフト
2種目目(1:23-2:12)はフルデッドリフトになります.デッドリフトは色々の種類がありますが,古デッドリフトを実施しており,Sadikはフルデッドリフトでの実施が多いですね.
回数・セット数は不明ですが,100kg,140kg,180kgで実施しています.
ポイントとしては以下をあげています.
- 身体のコアの収縮を感じること
- 目線はまっすぐ
- 足からまず力を入れて,全ての力を使い切る
デッドリフトの基本的に沿ったポイントですね.動画で見逃せないのは,ネガティブとポジティブをしっかりと意識しているということです.また,床までバーベルを下ろし切った際にも,床でバウンドさせることなく次のレップを始めています.180kgでも行っているのでやはりすごいですね.
最近,ジムに行くとやはりハーフレンジのデッドリフトを多くのトレーニーの方がとりいれていますが,やはりフルレンジのデッドリフトをやるに越したことはないなかなと思います.理由としては,やはりレンジが広いため,その分の筋肉の稼動量が異なると言う点です (その分,腰への負担はやはり大きくなりますが…).
3種目目: マシンロウ
3種目 (2:26-2:52)はマシンロウです.日本のジムでは,動画に出てくる様な座席まで動くマシンロウはほとんどないため,実施するならば一般的なマシンロウで良いと思います.40kgと80kgで実施しています.
Sadik曰く
“背中の厚みを必要としているから,この種目はかなり大事だね.”
とのことです.
ポイントとしては以下が挙げられています.
- 手首を旋回させること
- 回数ではなく,一回一回を正しく実施すること
手首の旋回に関しては,これも日本のジムのマシンロウは基本的に固定型が多いため難しいかもしれません.代替案としては,ロープーリーロウのアタッチメントをケーブルクロスオーバーを実施する際に使う様なハンドルにして,可動できる様にするといったことが考えられます.
正しく実施すると言うことについては,惰性で行うのではなくしっかりとネガティブを意識すべきと言うことだと思います.
4種目目: ロープーリーロウ (クローズドグリップ)
4種目目 (2:53-3:24)はクローズドグリップのロープーリーロウです.続けて,正面から引く種目を持ってきていることから,背中の厚みに主眼を置いてトレーニングしていることが伺えます.
ポイントとしては以下を挙げています.
- 重りをゆっくり下げてゆっくりと広背筋をストレッチさせること
- 胸を張ってコアを収縮させる
1点目はすなわち,これもネガティブを意識すると言うことに繋がります.
2点目は,引き切った時に胸と背筋を張ることでしっかりと広背筋を収縮させると言うニュアンスかと思います.
ちなみに,Sadik曰く,
“アーノルドがどの様にやっているか頭でイメージしながら,アーノルドがやっているように自分もやっているよ.”
とのことです.自分がなりたい身体や尊敬する人の身体をイメージしてトレーニングすると,その身体に近づくと言われているためにかなり重要と言えます.
5種目目: インクラインダンベルロウ
5種目目 (3:25-3:50)はダンベルインクラインロウになります.
これが唯一のアイソレート種目になります.動画を見ると,トップのポジションでかなり肩甲骨を寄せていることがわかります.おそらく,ジムでこの種目をとりいれている人は,中々このくらい肩甲骨がよっていないため,その辺の重量設定が重要となってきます.
Sadikの背中トレーニングの総評
Sadik自身は,背中が弱点であるため,背中を週に2回トレーニングしているそうです.その分け方としては,重い重量を実施する日と軽い重量を実施する日で分けているそうです.
背中のトレーニングを週に2回やっているプロは多い印象を受けます.フィルヒースも背中が弱点であったため「少しでも周りに追いつくために週に2回トレーニングをしていた」というのを動画で見たことがあります (今ではとんでもない背中ですが….).ウィリアムボナックも確か背中を厚さと広さに分けて週に2回トレーニングしていると言っていた記憶があります.
こう考えると,背中を週2回トレーニングするのはプロの中だとかなり一般的なんですね (我々素人には時間の捻出が難しいところですが…).
終わりに….
やはり,Sadikのトレーニングフォームは綺麗で勉強になります.今回の全ての種目に共通していたのは,”ネガティブの動き#という基本の動作だと思います (その基本が難しいのですが….).皆さんも,今回の種目をとりいれて,3次元の背中を手に入れましょう!!