アーノルドクラシック 2020 in コロンバス オハイオにて,個人的に優勝筆頭であると考えていたビッグラミーですが3位に終わりました.
今回は,なぜビッグラミーが敗れたのかその敗因について探っていきたいと思います.
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アーノルドクラシック 2020でのビッグラミーの仕上がり
アーノルドクラシック 2020 in コロンバスオハイオでのビッグラミーですが,以下の仕上がりでした.
以上のビッグラミーですが,ファイナルのときの写真になりますね.
ビッグラミーには結構あることですが,プレジャッジのときよりもファイナルの方がコンディションはかなり良かったです.
アーノルドクラシック 2020でビッグラミーが敗れた原因
ビッグラミーが敗れた原因ですが,以下が挙げられます.
- コンディションが極まっていなかった
- 例年になくラインナップが豪華だった
コンディションが極まっていなかった
まず,ビッグラミーのコンディションが極まっていなかったことが挙げられます.
以前のアーノルドクラシックの速報記事でお伝えした通り,今回のビッグラミーのコンディションは決して悪いものではありませんでした.しかし,コンディションが”極まっていたか”と言われると,そうであるとは言えず,やはりコンディションには疑問符がつくものがありました.
ミスターオリンピアに出場していたときのビッグラミーは,最終的には300ポンド以下でコンテストに出場していました.しかし,今回のアーノルドクラシックでは302ポンドまでディプリート (簡単に言うと炭水化物を抜くこと.)を行い,コンテストの直前に310ポンドまでカーボローディング (簡単に言うと炭水化物を補給すること.)を行った様です.これが個人的にはまずかったのかなという印象です.ビッグラミーは,サイズがある選手ですのでカーボアップを重視するよりもコンディションを重視すべき選手であり,カーボアップを含めた時の仕上がり体重の設定が芳しくなかったと思われます (人によっては,ビッグラミーは体重が300ポンド以上あるため,カーボローディングが必要ないと主張する人もいます.).
以上の様に,ビッグラミーがコンディションを毎回固定できない理由としては,彼がコンテストごとにコーチを変えるためであると,彼のかつてのコーチであるデニスジェイムスは述べています.
例年になくラインナップが豪華だった
次に,ラインナップが”酷”すぎたことが挙げられます.
今回の,ラインナップでビッグラミーよりも上位に入賞したウィリアムボナックとデキスタージャクソンですが,過去にビッグラミーは破ったことのある選手であり,決してビッグラミーが勝つことができない選手ではありませんでした.
ただし,両者のコンディションとビッグラミーを比較すると,やはり厳しいものがあります.デキスタージャクソンは,”The Blade”と形容されるほど,毎回のコンテストで研ぎ澄まされたコンディションを披露しますし,ウィリアムボナックもサイズよりはコンディションで勝負をする選手であります.
両者とビッグラミーを比較審査すると,特に決して悪くはないビッグラミーのコンディションが甘い様に見えてしまうという弊害があると思います (ビッグラミーが両者に勝ったミスターオリンピア 2017では,特に最後の比較審査は,ウィリアムボナック,ビッグラミー,フィルヒースであり,後期型のフィルヒースはコンディションが甘いことが目立っていたため,今回のアーノルドクラシック 2020と比較すると,どちらかというとコンディションに重きを置いた比較ではなかったのかなという印象があります.ジャッジの流れが特にコンディションに重きを置く様になったのは,ショーンローデンがフィルヒースを破ったミスターオリンピア 2018からであり,そこからビッグラミーは成績を落としていますしね.).
終わりに…
ビッグラミーの良さはやはりサイズです.ただ,勝つためにはサイズを犠牲にしてもコンディションが必要です.この線引きは非常に難しく,この線引きにビッグラミーも悩んでいるのではないでしょうか.
2020/05/24追記:
ビッグラミーですが,新たにコーチとしてChad Nichollsを招聘したというニュースが入りました.Chad Nichollsと言えば,過去にロニーコールマンも師事したコーチであるため,それを考えるとさらにサイズアップしそうな気もします.