オリンピアのヘッドジャッジは,毎年,Steve Weinverger (スティーブ・ワインバーガー)が務めるのが慣例となっています.Steve Weinvergerは,伝説的な女子ボディビルダーである,Bev Francisの旦那でもあり,彼らでニューヨークにあるBev Francisのパワーハウスジムを経営しています.
スティーブ・ワインバーガーは,オリンピアをはじめとする,多くのビックコンテストでヘッドジャッジを務めており,ポージングで彼に助言をもらう動画はyoutubeに多く掲載されています.
今回は,スティーブ・ワインバーガーが今年のオリンピアのジャッジについて,いくつかの質問に答えるという動画を見つけ,その内容が中々興味深かったため,皆さんとシェアさせていただきます.
Steve Weinvergerが答える,オリンピア 2019のジャッジ
Steve Weinvergerが答える,オリンピア 2019のジャッジについてですが以下になります.
この動画のサムネイルにある通り,今回の動画の趣旨は以下の通りです.
- なぜ,ブランドンカリーが優勝したか
- なぜ,Hadi Choopanが3位か
- クラシックフィジークとは
- ショーンローデン,Kai Greene,Phil heathに思うこと
- 一番失望したこと
- フレックスルイスはオリンピアの出場をする資格を得る準備は整っているか
なぜ,ブランドンカリーが優勝したか
“2位のウィリアムボナックと比較したとき,ウィリアムボナックの方がブランドンカリーよりもサイズがあるが,オリンピアでは,Williamが若干サイズに欠けていた.アーノルドクラシックの時点では,両者は拮抗していたが,オリンピアで大差がついてしまった.Williamに何があったのかはわからないが.”
ヘッドジャッジの目線だとそういうことになるのですね.個人的には,ウィリアムボナックのコンディションが優れていなかったからかなと思っていたのですが,サイズだったんですね.これはかなり意外でした.というのも,彼は,基本的にサイズで勝負をする選手ではなく,コンディションで勝負する選手という認識が一般的であるためです.
なぜ,Hadi Choopanが3位か
“彼はすごく良かった.ただ,212ポンド以下にまで体重を下げ,212ポンドクラスでエントリーしなかった理由がよくわからない.彼が,3位になったのは,2位のウィリアムボナック及び優勝したブランドンカリーと比較するとサイズが足りないからだ.コンディションは本当に良かった.”
Hadi Choopanでもサイズが足りなかったとは結構驚きでした.やはり素人目線ではわからないことがるのでしょう.私,個人的には,Hadi Choopanがサイズが足りなかったとは思いませんでした.
クラシックフィジークとは
“クリスバムステッドがBreon Ansleyに勝てたのは,彼の”Big Structure”,”Small Waist”,”Wide Shoulders”によるものだ.すなわち,クラシックフィジークとは”Beautiful Flowing Body (美しく流れる様な身体)であり,コンディションの整った筋肉質な身体ではない.””
この言葉から分かる通り,やはり,これに該当するにはやはりクリスバムステッドですね.一方,George Petersonはクラシックフィジークというよりは,やはりボディビル向きですね.となると,やはり,クラシックフィジークというのは生まれ持ったものが大きいということですね.
ショーンローデン,フィルヒース,カイグリーン に思うこと
“ショーンローデンが昨年のコンディションで出ていれば,Brandonに勝っていても不思議ではない.フィルヒースが昨年のコンディションで出ていれば,今年は恐らく優勝していただろう.Kai Greeneは,もう一度ステージで観れるかはわからない.Kaiはステージに戻ってくることは可能だが,長くコンテストに出場していないため出場しても優勝は難しいのではないか.”
これは確かにそうだと思います.特に,ショーンローデンに関しては,個人的には昨年のパッケージならば今年も連覇をしていたのではと思います.フィルヒースも今年出場していれば非常に怖い存在だったと思います.Kai Greeneは,一言で言うと,よくわからないのですが,恐らくオリンピアには戻ってこないのではと思います.
一番失望したことは
” (Derek) Lunsfordだ.212ポンドクラスで勝負を分けたのは,コンディション,コンディション,コンディションだ.”
これは大きく賛同します.とにかく,Derek Lunsfordはサイズ,ストラクチャーが素晴らしいのにコンディションを外してきたのは大変残念でした.彼は,まだ若いため,来年に期待です.
フレックスルイスはオリンピアの出場をする資格を得る準備は整っているか
“フレックスルイスは,オープンクラスのクオリファイを獲得することが必要である (212ポンドクラスで永久出場権を得ているが).自動的に出場権を得るのは不公平だ.フレックスルイスが今年のオープンクラスに出ていれば (8-9ポンド増量したと仮定して),トップ3には入っていた.HadiとFlexの戦いは是非とも観たい.”
フレックスルイスは,来年2020年にオープンクラスに戻ってきます.212ポンドクラスの絶対王者と言えど,来年は出場権を得るためにコンテストに出場しなければならないみたいですね.スティーブ・ワインバーガーが言っている通り,Hadi Choopanとフレックスルイス の戦いはぜひみたいですね.
2020/11/28追記:
フレックスルイスですが,オリンピア 2020の出場権はスペシャルインバイトで受け取りました.しかし,肩の怪我により,オリンピア 2020の出場を断念しました.
終わりに…
ヘッドジャッジが公にジャッジについてコメントするのは非常に公正で良いと思います.また,ジャッジの目線だと「そういうところを見ているのか」と勉強になりますね.