「ボディメイクのためにはBig3は必須ではない」と言われることが多い今日この頃ですが,個人的には,Sadik Hadzovicのトレーニングでは,Big3を非常に大切にしているという印象です.
今回は,Sadik HadzovicがBig3のポイントをまとめている動画を見つけたため,みなさんとシェアさせていただきます!
Sadik Hadzovic Big3解説動画
今回の動画は以下になります.
今回の動画ですが,ベンチプレス ,スクワット,デッドリフト のいわゆるBig3のポイントについて解説しています.
ベンチプレスのテクニック
今回の動画で解説されているベンチプレスのテクニックは以下の通りです.
- かかとからしっかり支える
- 肩甲骨を寄せてアーチを作る
- 下げる時はゆっくりで,上げる時は早く
- 回数は8-12回
かかとからしっかり支える
重量を扱うためにはかかとからしっかりと体を支えることが重要であると説明しています.
高重量を扱おうとすると,過度なブリッジの姿勢を作るためにつま先立ちにしてアーチを作ります.単にアーチを作るだけならば良いのですが,つま先立ちのままベンチプレスを行うと姿勢の安定性が崩れてしまいます.ベンチプレスをやり慣れているトレーニーなら良いのですが,特に「ベンチプレスをまだ初めて間もない」というトレーニーの方は,足から体を支えるということを意識しましょう.
肩甲骨を寄せてアーチを作る
胸に刺激を入れるためには,肩甲骨を寄せてアーチを作ることが重要です.
この様に,背中とベンチ台にアーチ状の空間ができる様にします.最初のうちは,背中の柔軟性が十分でないためここまでできませんが,慣れてくるとSadikの様なアーチを作れる様になります.
これはベンチプレスにおいて非常に基本的なテクニックの一つですが,意外とできてない人が多い印象です.これができていないと,胸にうまく刺激が入らず,肩を痛める可能性が出てきます (グリップも肩を痛める要因の一つですが,ベンチプレス で肩を痛めやすいという方は,まずはアーチの方法を見直した方が良いと思われます.).
下げる時はゆっくり,上げる時は早く
動作時にはネガティブムーブメントを意識しましょう.
下げる時には3秒かけて,上げる時には1秒でしっかりと上げる様にします.これはどの種目でも言えることなのですが,実際にやってみようとすると軽い重量では楽ですが重い重量だとかなりキツくなってきます.
回数は8-12回
回数は8-12回を設定します.
トレーニングにおいて回数は諸説ありますが,一般的には8-15回と言われることが多いですね.回数によって筋肉で動員する筋繊維が異なってくるため,8-12回と幅を持たせているのだと考えられます.基本的には,アップは12回,本番は8回を目安にセットを組みましょう.
スクワットのテクニック
今回の動画で解説されているスクワットのテクニックは以下の通りです.
- 足幅は肩幅より狭めでつま先はやや外向き
- 椅子に座るイメージ
- 体幹を強く意識
- 重心はかかと
- バーベルをしっかり握る
足幅は肩幅より狭めでつま先はやや外向き
足幅は肩幅より狭めでつま先は外向きにします.
動画中で述べていますが,足幅が広くなってくると内側広筋,足幅が狭いと外側広筋に刺激が行きます.太い脚を作るためには,脚の広がり,すなわち外側広筋を鍛えた方が良いため,足幅はやや狭めの肩幅より狭いくらいとなります.
つま先ですが,左足は11時の方向,右足は1時の方向に向く様にセットします.ただ,これは人によってやりやすい角度があるため,それで行うのが良いと思います.
椅子に座るイメージ
仮想的な椅子をイメージして,椅子に座る様にして実施します.
これは,すなわちボトムのポジションの位置設定になります.椅子に座ろうとすると,椅子は床に平行ですから,大腿と床が平行になったくらいがボトムポジションとなります.ただ,これに関しても,人によっては,もっと深くないと大腿に刺激が行かないという人もいるため,その人にあった方法を取るのが良いですね.
体幹を強く意識
実施時には体幹を強く意識しましょう.
動画中でも述べられていますが,スクワットを実施しているときにバーベルが左右に振れてしまう人がいますが,これは,体幹,すなわち腹圧がしっかりとかかっていないためです.これにより,バーベルが振れてしまう訳です.そうなると,かなり危険になりますので,実施時にはしっかりと腹圧を入れて,体幹を強く意識しましょう.
重心はかかと
実施中の重心はかかとに乗せます.
スクワットは動作の関係上,膝がつま先よりも前に出てくる関係で,どうしても重心がつま先に乗ってしまいがちですが,かかとにしっかりのせて,かかとで押す様にしてスクワットを行います.
同様にして,レッグプレスもですが,つま先に重心がかかりやすい種目ではありますが,かかとでしっかり押すことを意識するだけで,大腿への効きが変わってきます.
バーベルをしっかり握る
高重量を扱う際にはしっかり握ることで力を発揮しやすくなります.
これは,「力を出す際には何かにつかまってる方が強い力が出る」というのと恐らく同じ理論でしょう.実際に,Sadikはサムレスアラウンドで握っていますね.
これは無意識のうちに非常に一般的に採用されている方法ではありますが,かたやカイグリーンの様にほぼ添えるだけで240 kg近いスクワットをする選手もいるため,自分が何を意識するのかで変わってきそうですね.
デッドリフトのテクニック
今回の動画で解説されているデッドリフト のテクニックは以下の通りです.
- グリップには2つのオプションがあることを留意
- グリップの幅は肩幅くらい
- バーベルを上げる時に胸を上げる ( = 肩甲骨を寄せる)
- 尻を前に出す様にかかとで床を押す
- 背中は張ったまま
グリップには2つのオプションがあることを留意
まず,素手で実施する場合,グリップには「オーバー / アンダー」と「オーバー / オーバー」の2つのオプションがあることに留意する必要があります.
基本的に高重量を扱う場合以外には,「オーバー / オーバー」が推奨されていますね.の場合,グリップが非常に堅牢になり上腕二頭筋に刺激が行ってしまうためであると説明を行っています.
グリップの幅は肩幅くらい
グリップの幅は肩幅くらいです.
グリップですが,極端に広く取る人や狭く取る人がおりますが,肩幅くらいがやはり一番力を伝えやすいみたいです.これは,力の釣り合いを考えれば自明ですよね.
バーベルを上げる時に胸を上げる ( = 肩甲骨を寄せる)
バーベルを上げる時に胸を上げます ( = 通称,チェストアップ).
通称,チェストアップと言われる動作であり,これをしないでバーベルをあげようとすると,後述の背中のアーチを作れなくなり,腰を痛める原因となります.そのため,まずは,ベンチプレス と同じ要領で肩甲骨を寄せて胸を張った状態を作って,バーベルを上げる様にしましょう.
尻を前に出す様にかかとで床を押す
上げる時には,尻を前に出す様にかかとで床を押して上げる様にします.
かかとで押すということを意識することで,背中だけでなく脚の押す力も使ってバーベルをあげようとします.そのために,尻を前に突き出すというイメージを持つと実施しやすいと思います.こうすることで,背中単独で実施するよりも高重量を扱うことが可能となります.
背中は張ったまま
動作中,常に背中は張ったままです.
背中が丸まってしまうと,腰を痛めるため一番注意する必要があります.ここで,背中が丸々原因としては,「重量が重すぎる」点,「体幹に力が入っていない」点が挙げられます.そのため,実施時には,重すぎない重量を腹圧をしっかりとかけて動作させる必要があります.
終わりに…
以上のテクニックですが,奇をてらったものではなく,どれも基本的なものばかりでした.ただ,実際には,この基本的なテクニックを網羅できている人は非常に少なく,基本と言われることを確実にできるからこそ,IFBBのトッププロなんですね.
関連:
ネガティブ動作を意識して3次元の背中を手に入れる!Sadik Hadzovic背中トレーニング解説
高重量を丁寧にコントロールする!Sadik Hadzovic胸トレ解説
腕トレで未然に怪我を防ぐためには?Sadik Hadzovic腕トレ解説