オリンピア 2020の212 lbsクラスが終了しました.日本人のプロボディビルダーである山岸秀匡選手も出場する注目のクラスでしたが,結果はどうなったのでしょうか.
今回は,オリンピア 2020の212lbsクラスの結果を皆さんとシェアしたいと思います!
オリンピア 2020 212 lbsクラス結果
オリンピア 2020 212 lbsクラスの結果ですが,以下の通りです.
- 1位:Shaun Clarida
- 2位:Kamal Elgargni
- 3位:George Peterson
- 4位:Derek Lunsford
- 5位:Ahmad Ashkanani
- 6位:Oleh Kryvyi
- 7位:Angel Calderon Frias
- 8位:Derik Oslan
- 9位:Dectric LewisGuy
- 10位:Guy Cisternino Jr
1位:Shaun Clarida
優勝は,”The Giant Killer”こと,Shaun Claridaでした.オリンピア 2020でのShaun Claridaのコンディションは一言で表して異次元でした.
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この投稿から分かる通り,212ポンド ( = 約96 kg)制限の中で,彼は177ポンド ( = 約80 kg)で仕上げてきた様です.そのため,リミットギリギリまで突き詰めれば,あと体重を15 kg以上増やすことができるのに対して,彼がそうしないのは,彼の骨格上,この体重位が一番コンディションが際立って見えるという判断だと思います.
実際にステージに立ったときのコンディションはもちろんですが,サイズでも他の選手と比較しても小さく見えるということはほとんどなく,終始,ミッドセクションがコントロールされているのはさすがでした.
必ずしも大きい選手が勝つわけではないということを今回の優勝で体現したShaun Claridaは,世の中の背が高くない選手に希望を与えたと思います (Shaun Claridaの身長は157.5 cmです.).
2020/01/30追記:
Shaun Claridaのオリンピア 2020に向けての準備,及び彼が2019年からここまで躍進できた理由については以下の記事でまとめています.
2位:Kamal Elgargni
2位は,Kamal Elgargniでした.昨年から1ランクダウンになりますが,決して悪かったわけではなく,優勝したShaun Claridaが良すぎました (ちなみに,1位とは1点差でした.).
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Kamal Elgargniは,ダブルバイセップスのポージングをするときに,この様に手を握り込まないのが非常に特徴的ですよね (ウーマンズフィジークのダブルバイセップスの様なポージングです.).
仕上がりは,「さすが」と言って良いくらいでしたが,やはり,「オリンピア 2019よりは少し悪かったかな」という印象でした.
今回は,Shaun Claridaに敗れはしましたが,あのサイズ感であのコンディションを持ってくるあたりが非常に素晴らしく,やはり老練な選手であると感じました.
3位:George Peterson
3位は,George Petersonでした.彼は,これで,クラシックフィジーク時代から数えて,オリンピアで4年連続3位に入賞したことになります.
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彼は,2020年からクラシックフィジークから212ポンドクラスに移行し,やはり,サイズ不足が懸念されていましたが,初出場のカテゴリーでオリンピアで3位入賞とは非常に素晴らしいです.
やはり,元々はクラシックフィジークの選手だったこともあり,脚がスラリと長く,ウエストが細いところが他の212ポンドクラスの選手とは全く異なっている長所だと感じました.また,クラシックフィジークでは,ずっと,クリスバムステッドとBreon Ansleyと互角の戦いをしていたことから,コンディションも素晴らしく,2021年はさらなる飛躍が期待されます.
4位:Derek Lunsford
4位はDerek Lunsfordでした.2019年から2ランクダウンです.
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今年のDerek Lunsfordも,コンディションがいまいちでした.2019年は,プレジャッジは良くなかったものの,ファイナルで改善してきたのですが,2020年は,ファイナルでさらに酷くなった様な印象があります.具体的には,2019年と同様に身体が水っぽく,身体が平面に見えてしまうという点です.
彼は,非常にポテンシャルがある選手なのにも関わらず,なんとなく,力を出し切れていない様な感じがします.若い選手ですので,コンディションに波があるのは致し方ないのですが,2021年こそはそこを改善して欲しいと思っております.
5位:Ahmad Ashkanani
5位は,Ahmad Ashkananiでした.昨年と同じ順位になります.
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彼は,サイズに関しては,212ポンドクラスの中では群を抜いており,さすがだと思いました.ただ,ここ数年は,安定した成績を残しているものの,いまいち,トップ3に入ることができないのは,明らかにコンディションに問題があるためであり,その辺を改善できるともっと上の順位にランクインできると思われます.
山岸秀匡選手は14位で終わる
山岸秀匡選手ですが,14位に終わりました.
212ポンドクラスは,上位10選手しかファイナルでのポージングを行うことができないため,山岸選手はファイナルに残ることができませんでした.
私個人の意見ですが,贔屓目に見なくても,山岸選手のコンディションは決して悪くなかったと思います.
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それでは,なぜ,14位に終わってしまったかについては,恐らく,やはりサイズ,特に背中だと思います.
正直言って,山岸選手はフロントポーズは相当に素晴らしく,フロントポーズ全般ならばトップ6の選手とも互角だと思います.ただ,サイドポーズに移ったときの身体の厚み,そして,バックポーズをとったときの背中の凹凸間がやはり,トップ選手と比較すると劣ってしまっていることも事実であり,それが勝敗を分けたのではないかと思います.
2019年と比較して順位が落ちてしまっているのは,2019年はとんでもないくらいまでコンディションを突き詰めていたからであり,2020年は山岸選手はオーバーワークを防止するために直前期にトレーニングを一切行っていないという話をyoutubeで拝見しました.この様に,山岸選手ほどの経験があっても,いろいろなことを試しながら改善している姿をみると,今回の経験も糧にして,再びオリンピアのステージに立っている姿を見たいですね.
終わりに…
それにしても,2020年のShaun Claridaは何度も言う様ですが,非常に素晴らしかったです.彼の活躍は,ボディビルディングという競技が身体全体のパッケージとして審査し,必ずしも,サイズがある選手が有利になるわけではないということを示唆しており,非常に興味深いですね.