Andrew Jackedはビッグラミーの脅威となり得るか

Andrew Jacked ビッグラミー

Texas Pro (テキサスプロ)2022で鮮烈なデビューを果たし,ミスターオリンピア 2022の出場権を獲得したAndrew Jackedについて,彼のコーチであるFlex Wheeler (フレックスウィーラー)とGeorge Farah (ジョージファラ)は,Big Ramy (ビッグラミー)の脅威になり得ると指摘します.

今回は,この情報を皆さんとシェアしたいと思います!

Andrew Jackedとは

Andrew Jackedについて,インターネット上で調べてもなかなか情報が出てきません.彼がそもそも有名になったのは,パワーリフターとして世界的に非常に有名になったLarry Wheelsの影響が非常に強いと思われます.

 

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Larry Wheelsは,24歳で重量挙げで2つの世界記録を樹立したことで名を馳せました.彼は,体重が275lbs ( = 約125kg)で合計2275lbs (=1032 kg)のローギア記録(610lbs (277 kg)のベンチプレス、810lbs (=367 kg)のスクワット、855lbs (=388 kg)のデッドリフト)を記録しました

そんな,Larry Wheelsのトレーニングパートナーとして有名になったのが今回紹介したAndrew Jackedになります.彼は,身長が約188 cmで体重が約121 kg (随分前のデータなので,実際には異なる可能性が高そうです)になります (アメリカの標準的な身長から考えると普通かもしれませんが,ボディビルダーとして考えると非常に大柄です・).

 

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調べたところによると,彼は2007年からボディメイキングをしている様です.ただ,その一方で,彼はコンテストに出場したことがないという非常に変わった経歴も持っています (この情報が少し錯綜していて,恐らく,あっていると思います.).

そんなコンテストに出場したことがない彼なのですが,2020年にコンテストに出場することを明言してトレーニングを続けていました.当時の彼ですが,上半身が非常に良いということで少し話題になっていたのですが,下半身には実際にどうなのかという議論がなされており,当時はそこまで気に止める様な選手ではありませんでした.

そんなAndrew Jackedですが,新型コロナウイルスの影響で2020年のコンテストに出場することができず,2021年のコンテストに目標を決めてコンテスト準備を続けている様です.その一環で彼が行った投稿が衝撃的でした.

 

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コンディションもサイズも抜群ですね.

この肉体がコンテスト経験がほぼ0の選手のものとは到底思えません….彼はどうやらナイジェリアにルーツを持っている選手の様であり,各部位が丸々と発達した筋肉は,やはり,黒人選手特有の素晴らしさですよね.

彼のインスタグラムを見てみると分かりますが,高重量をしっかりとコントロールしており,非常にトレーニングが丁寧であることが分かります.だからこそ,ここまで,身体が発達するのでしょう.

ここで,彼のサイズはもちろん素晴らしいのですが,特筆すべきは,やはりウエストラインの細さになります.

ポージングからして,クラシックフィジークに焦点を当てていることが想像することができますが,ここまでウエストが細いと,クラシックフィジークでも十分活躍できるポテンシャルが十分にあると思われます (私個人の意見としては,ぜひ,ボディビルディングで見たいですが….).

2020年に懸念されていた脚のサイズ不足というのも全く感じられず,まさに完璧なパッケージと形容することが可能です.

ジョージファラとは

ジョージファラは,1971年,レバノン出身のプロボディビルダーです.身長は171 cm,体重は93-102 kgです.

 

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彼は,2000 NPC Nationalsでプロカードを取得し,2002年にプロデビューを果たします.オリンピアには,2002,2005,2008と出場し,特に,オリンピア 2008では,現在の212ポンドクラスの前身となる202ポンドクラスで5位に輝くなどトッププロの一人に数えられます.

現在は,競技から引退しており,コーチとして活躍しています.彼は選手時代にも有名だったのですが,コーチになってからさらに有名になり,その理由としては,デキスタージャクソンのコーチを長年務めているためです (また,現在はコンテストに出場しなくなりましたが,Kai Greene (カイグリーン)も彼に師事していました.).

 

2014年には,山岸秀匡選手もジョージファラをコーチとして招聘していたときもあり (正確には,チャールズグラスをトレーニングコーチとして,ジョージファラをニュートリションコーチとして雇っていた様な記憶があります.),その年,山岸選手はオリンピアで212ポンドクラスで過去最高の3位に入賞し,タンパプロでも優勝したという結果からも分かるとおり,ジョージファラはコーチとしての能力にも非常に優れていると言えます.

近年では,癌を患い闘病していたという話を聞いていたため,とりあえず元気になってくれて一安心といったところです.

フレックスウィーラーとは

フレックスウィーラーは,1965年アメリカ生まれのプロボディビルダーです.身長は175 cm,体重はオンシーズンで96-109 kgだったようです.

 

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彼は90年代から2000年代の初頭に活躍したプロボディビルダーです.

彼は,1992 USA Championshipsで優勝し,プロカードを取得します.翌年1993年からプロコンテストに出場し,クラシックフィジークで出場した2015年を含め8度出場し,1993,1998,1999には2位になりました.

あの,アーノルドシュワルツェネッガーにして,「今まで見た中で最高のボディビルダーの一人」と言わしめ,ライバルだったロニーコールマンからは,「遺伝的に最も優れた選手」と評価されていました.また,同じくライバルだったDorian Yates (ドリアンイェーツ)からは,「車の事故がなければオリンピア 1994を制したのはフレックスウィーラー (1994年にフレックスウィーラーは車の事故に遭い出場できませんでした.)と評価されていることからわかる通り,とんでもない実力をもった選手でした.

彼が活躍した,90年代から2000年代は,ドリアンイェーツやロニーコールマンが活躍しており,バルクが最重要視されていた時代でした (現在は,バルクというよりもコンディションが重視されていますよね.).そのため,当時のボディビルダーと現在のボディビルダーを比較すると,当時のボディビルダーの方がサイズがあるというのはよくある話です.

フレックスウィーラーは,そのバルク全盛期の時代でも,プローポーションが優れていた数少ないボディビルダーでした (その他に,プロポーションが優れていたボディビルダーを挙げるとするならば,ショーン・レイになるでしょう.).彼は,ジェイカトラーが台頭してくるまでは,ロニーコールマンの最大のライバルと認識されていました.実際に,1998年,1999年のミスターオリンピアでは,ロニーコールマンに次いでの2位2000年のミスターオリンピアではロニーコールマン,Kevin Levroneに次いでの3位でした.

実際には,ミスターオリンピアを獲得するまでには至りませんでしたが,ジャッジ基準が今日の様な基準であったならば結果はどうなっていたか分かりません.

2003年を最後に,ステージから遠ざかっていましたが (確か,彼の腎臓の病のためです.),2017年にクラシックフィジークのオリンピアのステージにカムバックしました.往年のサイズ感はありませんでしたが,正に年齢を感じさせない身体でしたね (実際の順位は15位でした.).

 

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Embracing the moment! #MrOlympia

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彼は1965年生まれであるため,2017年というと52歳に相当します.52歳でこの身体はやはり凄すぎますね.

Andrew Jackedについて,ジョージファラとフレックスウィーラーが述べた動画

Andrew Jackedについて,ジョージファラとフレックスウィーラーが述べた動画は以下です.

動画の作成元は,OlympiaTVです.

今回の動画の長さは59:53です.

Andrew Jackedはビッグラミーの脅威となり得る

今回の動画で,Andrew Jackedのコーチであるジョージファラとフレックスウィーラーは彼がビッグラミーの脅威になり得ると指摘します.

まず,フレックスウィーラーは以下のように指摘します.

Ramy is the person to beat. But now you’re going to have guys competing against him that are taller than him and matches his mass. I’m going to argue and say possibly, I’m being nice, but he possibly has better symmetry and balance that he has

ビッグラミーは倒すべき相手です.でもこれからは彼より背が高く,体格の良い選手も参戦してくるでしょう.私は,もしかしたら,親切心からかもしれませんがAndrew Jackedの方が優れていると考えており,彼の方が左右対称でバランスが取れているのではないかと思っています.

ビッグラミーは,そこまで左右の筋肉のバランスが悪い選手ではありませんが,Andrew Jackedはそれを圧倒的に上回るシンメトリーがあるとされており,それがびっグラミーの脅威となりうると考える理由の一つでしょう.

次に,ジョージファラは以下のように指摘します.

If Big Ramy comes in the way he looked last year, I think he’s going to have a problem. But if Big Ramy comes in 100 percent – nobody on that stage is going to be able to compete against him this year, but he needs to be 100 percent. If he’s not 100 percent, he could really have a problem really quick

もし,ビッグラミーが昨年と同じような状態で来れば,彼は問題を抱えることになります.でも,もしビッグ・ラミーが100パーセントの力を発揮したら…あの舞台では誰も彼に太刀打ちできないため,彼は100パーセントでなければならない.もし,彼が100パーセントでなければ,本当にすぐに「問題」が起きるかもしれないです.

ビッグラミーが100%というのは,ミスターオリンピア 2020のときを恐らく指しており,それと比較すると,ミスターオリンピア 2021のビッグラミーの仕上がりはいまいちでした.実際に,ミスターオリンピア 2020では圧倒的な勝利を印象付けましたが,ミスターオリンピア 2021では,人によってはBrandon Curry (ブランドンカリー)の方が良かったと指摘する人もいるため,それを考えると,100%ではないビッグラミーが問題を抱えるという指摘は正しいと思います.

終わりに…

実際の問題,Andrew Jackedがビッグラミーを倒すのにはまだ時間がかかりそうですが,Andrew Jackedがあと2シーズンくらいかけてサイズを順調に付けていくと,ビッグラミーに対しても互角以上の戦いができるのではないかと予想しています.

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