フレックスウィーラーはウィリアムボナックの「巨大化」を危惧

ミスターオリンピアを史上最多タイの8連覇を成し遂げたRonnie Coleman (ロニーコールマン)のライバルの一人として数えられていたFlex Wheeler (フレックスウィーラー)は.William Bonac (ウィリアムボナック)の巨大化について懸念を抱いている様です.

今回は,この情報を皆さんとシェアしたいと思います.

フレックスウィーラーとは

フレックスウィーラーは,1965年アメリカ生まれのプロボディビルダーです.身長は175 cm,体重はオンシーズンで96-109 kgだったようです.

 

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彼は90年代から2000年代の初頭に活躍したプロボディビルダーです.

彼は,1992 USA Championshipsで優勝し,プロカードを取得します.翌年1993年からプロコンテストに出場し,クラシックフィジークで出場した2015年を含め8度出場し,1993,1998,1999には2位になりました.

あの,アーノルドシュワルツェネッガーにして,「今まで見た中で最高のボディビルダーの一人」と言わしめ,ライバルだったロニーコールマンからは,「遺伝的に最も優れた選手」と評価されていました.また,同じくライバルだったDorian Yates (ドリアンイェーツ)からは,「車の事故がなければオリンピア 1994を制したのはフレックスウィーラー (1994年にフレックスウィーラーは車の事故に遭い出場できませんでした.)」と評価されていることからわかる通り,ミスターオリンピアで優勝することはできませんでしたが,とんでもない実力をもった選手でした.

彼が活躍した,90年代から2000年代は,ドリアンイェーツやロニーコールマンが活躍しており,バルクが最重要視されていた時代でした (現在は,バルクというよりもコンディションが重視されていますよね.).そのため,当時のボディビルダーと現在のボディビルダーを比較すると,当時のボディビルダーの方がサイズがあるというのはよくある話です.

フレックスウィーラーは,そのバルク全盛期の時代でも,プローポーションが優れていた数少ないボディビルダーでした (その他に,プロポーションが優れていたボディビルダーを挙げるとするならば,ショーン・レイになるでしょう.).彼は,ジェイカトラーが台頭してくるまでは,ロニーコールマンの最大のライバルと認識されていました.実際に,1998年,1999年のミスターオリンピアでは,ロニーコールマンに次いでの2位2000年のミスターオリンピアではロニーコールマン,Kevin Levroneに次いでの3位でした.

実際には,ミスターオリンピアを獲得するまでには至りませんでしたが,ジャッジ基準が今日の様な基準であったならば結果はどうなっていたか分かりません.

2003年を最後に,ステージから遠ざかっていましたが (確か,彼の腎臓の病のためです.),2017年にクラシックフィジークのオリンピアのステージにカムバックしました.往年のサイズ感はありませんでしたが,正に年齢を感じさせない身体でしたね (実際の順位は15位でした.).

 

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彼は1965年生まれであるため,2017年というと52歳に相当します.52歳でこの身体はやはり凄すぎますね.

ウィリアムボナックとは

William “The Conqueror” Bonacは,1982年ガーナ生まれのボディビルダーです.身長は170 cm,体重は102.1-106.6 kgです.

 

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彼は,2011年に行われたアーノルドアマチュア ボディビルディングのヘビーウェイトクラスで3位に入賞し,そこから注目を集めるようになりました.

彼の身長は170 cmとオープンクラスボディビルディングの選手とすると,身長がやや低いことから,彼はプロ転向当初は212 lbsクラスでコンテストに出場していました.実際に,212 lbsクラスで出場したPrague Pro 2013では5位に入賞しています.

その後,オープンクラスに転向し,Golden State Pro 2014でプロコンテスト初優勝を飾りオリンピア 2014に出場し,15位に終わります.

ただ,翌年のオリンピア 2015では8位と大きく躍進します.そして,その翌年のオリンピア 2016では遂に5位に入り,オリンピア 2017,2018,2019,2020,2021では3位,4位,2位,5位,6位と非常に安定した成績を残し続けているのが特徴的です (彼は,2015年以降,本当に安定した強さを誇っています.また,コンテストに出場すれば一定以上のコンディションを確実に披露しています.彼がここまで安定した成績を残せるのはコンディションもありますが,そもそも,身体の弱点が非常に少ないことも理由として挙げられます.).

フレックスウィーラーがウィリアムボナックの巨大化について指摘した動画

フレックスウィーラーがウィリアムボナックの巨大化について指摘した動画は以下です.

動画の作製元は,OlympiaTVです.

今回の動画の長さは59:55です.

フレックスウィーラーはウィリアムボナックを以前の自身と重ね合わせる

今回,フレックスウィーラーは,ウィリアムボナックの現状について,以前の自身と重ね合わせながら論じます.

I’ve made that mistake also. You’re chasing an image that’s portrayed to be the number one and you want to emulate that because that’s identified to be number one right. But that doesn’t mean that image is going to look good for me

I made that mistake chasing Ronnie and getting too big. Don’t make that mistake man. It’s about being better. Better is better. Bigger isn’t always better,

私もその失敗をしたことがあります.ナンバーワンとされるイメージを追い求め,それを真似したくなるのは,それがナンバーワンであることが確認されたからなのです.でも,そのイメージが自分にとって良いものであるとは限りません.

ロニーコールマンを追いかけて大きくなりすぎたのは失敗でした.そのようなミスを犯さないように,より良くなることが重要です.より良いものはより良い.大きいことが良いとは限らないのです.

フレックスウィーラーといえば,身体が非常に美しく,そのプロポーションの良さについてはロニーコールマンからして「遺伝的に最も優れた選手」と言わしめた選手でした.

その一方で,マスモンスターであるロニーコールマンと戦うためにサイズをつけてしまったのは,フレックスウィーラーの長所を失わせた要因であり,だからこそ,元々は非常にバランスの良い選手だったウィリアムボナックの「巨大化」を危惧しているのだと思います.

これは,間接的には,現状のウィリアムボナックの身体の状態がフレックスウィーラーにとって考えると,そこまで芳しい状態ではないということであり,彼が最大限に活躍するためにはもっとコンディション,ポージング等に注力すべきということなのだと思います.

ウィリアムボナックのストラクチャーは崩れつつある

実際,確かにフレックスウィーラーの指摘するように,ウィリアムボナックのストラクチャーに対して,現状ではややサイズがつき過ぎている印象があります.

 

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このため,パッケージとして見た場合において,確かに筋肉の大きさでは目を引くものの,ポージングの美しさなどは失われている気がします.また,サイズをつけるために,コンディションがやや甘くなっているのも気がかりであり,そうであるならば,むしろ,彼はコンディショニングに注力して方が良いというのは同意見です.

終わりに…

ウィリアムボナックは,フレックスウィーラーほどのプロポーションの美しさを誇る選手ではありませんが,確かに,両者共に,タイプは非常に似ていると感じました.

Big Ramy  (ビッグラミー)のサイズが圧倒的すぎる以上,彼と互角に戦うためにはサイズアップしたい気持ちも分かりますが,フレックスウィーラーからすると,むしろ,「自身の長所を伸ばすべき」というのが本質なのではないかと思いました.

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